東京都の豊洲市場(江東区)を巡る問題で、都議会の「百条委員会」による関係者の証人喚問が11日、始まった。用地を都に売却した東京ガスが百条委に提出した資料の中に、都側が強い言葉で判断を迫ったことを示す記述があることが判明。浜渦武生副知事(当時)が同社と進めたとされる「水面下」の交渉の一端とみられる。
11日の証人喚問には都の担当部局「中央卸売市場」の大矢実元市場長ら都側の2人と、東京ガス側の9人が出席した。
問題の資料は東ガスが作成したとみられる。それによると、2000年12月の交渉で、都政策報道室の赤星経昭理事(当時)が、浜渦氏から受けた指示として「石原慎太郎知事(当時)が安全宣言をしないと、東京ガスにとっても土地の価格が下がって困るだろう」と東ガス側に伝えたとされる。資料には「脅かしてきた」との記載もあった。
これについて百条委の委員は「浜渦氏が赤星氏に裏取引を持ちかけるように指示している」と指摘。大矢氏は「メモは承知していない。その席に私はいない」と答弁した。
一方、大矢氏は豊洲への移転決定の経緯に関して「総合的に判断して、市場長として豊洲に移転することが適切と判断した」とし、石原氏に進言したと説明。築地市場(中央区)を視察した石原氏が1999年9月、「古くて狭い。何とかしなければいけない」などとして、豊洲移転を「早く積極的に進めてくれ」と指示したと述べた。
石原氏は3日の記者会見で「(99年4月の知事就任後に)豊洲移転は既定路線と福永正通副知事(当時)から聞いた」などとし、自らが主導して豊洲移転を決めたことを否定している。これに関して、11日の証人喚問に出席した福永氏は「豊洲に決まっていたという発言はしていないと思う」と話した。
石原氏は01年2月の記者会見で「豊洲地区を新しい市場候補地として関係者と本格的な協議を進める」と発言している。