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【政治】<柳沢協二さんのウオッチ安保法制>治安理由 否定に矛盾 撤収判断なら月内帰還を隊員に犠牲が出ないうちに撤収を決めたのは良かったが、なぜここまで決められなかったのかが問題だ。政府は治安の悪化を理由とした撤収を否定するが、説明には矛盾がある。 国連は昨年七月に発生した大規模な衝突をきっかけに、PKO部隊の増派を決めた。これは治安が悪いことの証明だ。治安がいいのなら、まだいくらでもやるべき仕事はある。政府が強調する工事実績も、部隊が工事を再開した昨年秋から、ほとんど増えていないのではないか。同じ理由で撤収するなら、昨年のうちにできたはずだ。 撤収を決めた部隊の状況は、実は非常に不安定だ。一般論として言えば隊員の士気は下がり、相手に攻撃する気があれば、非常に危険な状態となる。残務処理に二カ月以上かけるのは部隊の安全にとってリスキーだ。撤収を判断したなら五月末と言わず、三月末に帰ってくるべきだ。 昨年七月の衝突発生当時の現地部隊の日報から判断すれば、薄氷を踏む思いで活動していたはずだ。任務が全てうまくいったかのような政府の説明を聞くと、今回のPKO活動による教訓が今後に十分生かされるのか、不安を覚える。 (聞き手・新開浩) PR情報
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