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【プロ野球】

<WBC>中田、筒香アベック弾 侍連勝、2次Lへ前進

2017年3月9日 紙面から

オーストラリア−日本 7回表無死、左越え本塁打を放つ中田=東京ドームで(北田美和子撮影)

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◇1次リーグ 日本4−1オーストラリア

 出た! 中田、筒香のアベックホームラン−。第4回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)は8日、東京ドームで1次リーグB組の2試合が行われ、日本はオーストラリアと対戦し、4−1と快勝した。1−1の同点で迎えた7回、中田翔内野手(27)が値千金の勝ち越しソロを左翼席に運ぶと、8回に筒香嘉智外野手(25)が右翼ポール際に2ランを放って3点リード。先発した菅野智之投手(27)が5回途中までを1失点に抑え、救援陣も無失点で踏ん張った。これで2勝全勝とし、9日のオーストラリア−中国戦で、オーストラリアが勝てば、日本の2次リーグ進出が決まる。

 侍ジャパンの誇る左右の大砲がそろって一発を放ち、オーストラリアとの接戦に終止符を打った。試合後の小久保監督も「中田、筒香のホームランがすべて」と最敬礼するしかなかった。

 自身の今大会初安打となる貴重なアーチは、同点の7回に飛び出した。先頭打者で打席に入り、代わったばかりのウィリアムズの初球、ど真ん中のスライダーをフルスイング。「バットの先っぽ。感触はあまり良くなかったので、入ってくれてよかった」と喜んだ。

 筒香は1点リードの8回2死一塁。2ボール2ストライクからの5球目、左腕のケネディのインローに沈むチェンジアップをとらえた。右翼ポール際に2試合連続となるダメ押し2ラン。「打った瞬間、いったかなぁと思った。中田さんが打ってくれて、その流れに乗って打てた」と2学年上の先輩に感謝した。

 中田は前回のWBCを経験し、小久保ジャパンの誕生時から4番を務めてきた。その間に筒香が急成長。2015年秋のプレミア12でも4番を務め、その後ろで中田がポイントゲッターとして機能する形が出来上がった。

 中田は2月のキャンプ中に痛めた左手首の治療のため、日本ハムで使うものと同じ形の治療器を自腹で購入。「少しでもいい状態で臨みたいから」と約50万円を払って宿舎に持ち込み、空いた時間を治療に充てて今大会にかけてきた。第1戦でともに無安打だった鈴木と試合前、「どっちが先に打つか勝負だ」と話し、その鈴木は5回に二塁内野安打。先を越された格好になったが、チームへの貢献度で上回ってみせた。

 筒香と肩を並べたお立ち台では「僕の前でゴウ(筒香)が空気を読まずにバンバン打つので、1本打てて良かった」と後輩いじり。中田のアーチへの感想を求められた筒香が「うれしいです」と笑いながら答えると、中田は腹に軽くパンチを入れ、続いて熱い抱擁をかわした。

 思わぬ一発攻勢に、小久保監督は「国際大会ではなかなか長打は期待できない。期待していなかったからうれしい」と満面の笑み。投手力を最大の特長として前面に打ち出しているが、どっこい侍ジャパンは二門の大砲も備えている。 (小林孝一郎)

 

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