早期発見の利点が強調される乳癌検診 「過剰診断」の危険性を指摘する声も

記事まとめ

  • デンマークの研究チームが発表した論文により、乳癌検診の功罪をめぐる議論が再燃
  • マンモグラフィーの導入により、不必要な治療につながるリスクがあるという指摘も
  • 「乳癌と闘う全米連合」会長も、無用な治療は女性の健康を害するだけだと語っている

疑わしきは必ず罰するマンモグラフィーの罠

DCISは、悪性になる可能性は否定できないが、まだ乳管の外に広がっていない腫瘍のことだ。

癌協会はこれを最初期の乳癌と位置付けており、浸潤性の癌と同様な治療を勧めている。DCIS自体は命取りにならないが、浸潤性の癌になる可能性を考慮して治療を勧めるわけだ。ただし、DCISは癌の危険因子の1つにすぎないから経過観察にとどめるべきだとする専門家の見解もある。

DCISの積極的治療は必要なのか、不要なのか。研究は進められているが、検診やDCISについての明確な答えが出るのはまだまだ先になるだろう。

当面は患者も医師も、手探りのまま難しい選択をしていかなければならない。

[2017.3. 7号掲載]
リズ・サボ

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