日本海で不審船の目撃相次ぐ 水産庁が対策強化へ

日本海で不審船の目撃相次ぐ 水産庁が対策強化へ
日本海にある日本の排他的経済水域で、北朝鮮や中国から来た漁船と見られる不審船が相次いで目撃されていることから、水産庁は対策を強化する方針を示しました。
全漁連=全国漁業協同組合連合会によりますと、日本の排他的経済水域でスルメイカなどが取れる、日本海の「大和堆」と呼ばれる区域では去年の10月以降、不審船が相次いで目撃されているということです。これらの船は船体に書かれた文字などから、北朝鮮や中国から来た漁船と見られ、イカ漁を行っている場面も目撃されているということです。

このため、全漁連は10日、岸宏会長らが水産庁を訪れ、佐藤長官に取締りの強化を求める要望書を提出しました。

この中で、岸会長は違法操業が相次げば、スルメイカや、紅ズワイガニなどが取り尽くされ、日本海全体の水産資源の枯渇を招くと訴えました。

これに対し、佐藤長官は「違法操業には厳正に対処する必要がある」と述べて、大型取締船1隻を新たに配備するなどして、対策を強化する方針を示しました。

このほか、全漁連は今月6日に北朝鮮の弾道ミサイルが日本の排他的経済水域に落下したことから、漁業者の安全が脅かされているとして、政府に対し、あらゆる手段を用いてミサイルの発射を阻止するよう求めています。

全漁連会長「国は責任を持って対応を」

全漁連の岸宏会長は「外国の漁船が無謀な違法操業を繰り返し、日本の漁師が漁場から締め出されるなど、大変な事態になっている。国は責任を持ってしっかりと対応してほしい」と話しています。