2017年3月10日、韓国の朴槿恵(パク・クネ)大統領の罷免が決定したことを受け、韓国の弾劾支持派に喜びの絶叫が沸き起こる一方、朴氏支持の弾劾反対派には失望や怒りが広がっている。11日に「怒りのデモ」を行うと宣言する弾劾反対派の中には「切腹」という極端な行動に走る人物が出るなど、けが人が続出しているという。韓国・マネートゥデイなどが伝えた。
午前11時20分過ぎの憲法裁判所の宣告を受け、ソウルの憲裁周辺では弾劾反対を叫ぶデモの勢いがエスカレート、午後0時40分ごろにはデモ隊の1人が心停止でその場に倒れた。午後0時50分ごろには、朴氏支持団体のメンバーらが「突撃」を叫びながら警備中の警察隊に向かって行き、物理的な衝突が起こった。
こうした中、やはり憲裁付近でデモに参加していてけがをしたとみられる72歳の男性が病院に運ばれ死亡した。男性は午後1時ごろ、憲裁から程近い地下鉄安国(アングク)駅交差点で血を流して倒れているのが見つかった。発見当時、頭に傷を負い出血がひどい状態だったという。
さらに午後1時50分ごろには、同じデモに参加していた50代の男性が切腹を試みる騒ぎがあった。男性は安国駅交差点で自らの腹を刃物で刺して倒れ、病院に運ばれ治療を受けている。
弾劾反対派の中には他にもデモの最中に意識を失い病院に運ばれた男性が死亡するなど、少なくとも2人の死亡が確認されているほか、けが人も相次いでいる。
弾劾支持派優勢の世論を反映してか、この報道に接した韓国のネットユーザーの反応は概して冷たい。記事には「申し訳ないけど気の毒だと思えない。自業自得」「もともと自分たちでまいた種だからね」「もう終わったんだから、おとなしく家に帰ったらどう?」「いい気味だ」といった声が寄せられ多数の共感を集めている。
また、「誰かさんのために死ぬのはやめた方がいい」「朴槿恵はまた罪なき国民を扇動して命を奪った」など、こうした犠牲の原因を罷免された朴氏に求めるコメントもあった。(翻訳・編集/吉金)