韓国の憲法裁判所が10日、朴槿恵(パク・クンへ)大統領に対する弾劾を容認する決定を下したことにより、朴氏が元大統領として受けることになる各種の待遇も大幅に縮小される。
弾劾で大統領職から罷免された朴氏は、憲法上、前職大統領礼遇法に基づく年金の恩恵など各種の支援を受けることができない。
前職大統領礼遇法によると、5年の任期を正常に終えて退任した大統領は、在任時の賃金の95%に相当する年金(月額およそ1200万ウォン=現在のレートで約120万円)を受け取り、秘書官3人と運転手1人についての賃金、国公立病院の無料診療、交通・通信および事務室の費用、死去後の国立顕忠院への埋葬、記念事業などといった支援を受ける。
しかし今回、弾劾によって退いた朴・元大統領はこうした支援を全て失い、およそ25人前後の警護および警備要員についてのみ支援を受けることになる。大統領警護法は、現職大統領が任期満了前に退任した場合の警護期間を5年と定めており、必要な場合にはさらに5年延長することができる。
また、罷免された朴・元大統領は、国家公務員法に基づき5年間は公務員として任用を受けられず、現職大統領に保証されている刑事上の不訴追特権も消え、検察の捜査を避けることはできなくなった。
こうした事実があるため、政界の一部では、朴氏が弾劾宣告の結果を待つことなく事前に自ら辞任するだろう、という見方も出ていた。事前に辞任した場合は、元大統領としての待遇を全て受けることができる。