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【芸能・社会】

エイナウディ、日本映画初参戦 福山雅治主演「三度目の殺人」

2017年3月10日 紙面から

初対面を果たしたルドヴィコ・エイナウディ(左)と是枝裕和監督=2月下旬、東京・成城のスタジオで

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 福山雅治(48)が初めて弁護士役に挑む是枝裕和監督(54)の新作「三度目の殺人」(9月公開)の音楽をルドヴィコ・エイナウディ(61)が手掛ける。「ディバイナー 戦渦に光を求めて」(2014年)、「最強のふたり」(11年)など数々の映画音楽で多くの賞に輝いてきた巨匠が、日本映画に参加するのは初めてだ。

 福山・是枝のカンヌコンビが4年ぶりにタッグを組む大作。エイナウディは映画以外にもオーケストラ、室内楽、バレエ、CMなどで才能を発揮。ニーノ・ロータ、エンリオ・モリコーネに次ぐイタリアが生んだ現代のサティとも言われるピアニスト、作曲家だ。

 癒やしのメロディーは世界中で人気を集め、アルバムセールスは現代音楽では驚異的な150万枚以上を記録。3度の来日公演も成功させている。今回は、是枝監督の熱烈オファーが実を結んだ。

 2月下旬に来日したエイナウディと是枝監督は、東京・成城のスタジオで初対面。脚本を書きながら毎日エイナウディの音楽を聴いていたという是枝監督は、撮影中の映像を見せながら、シーンの意味や、そこに求める音楽の意図を熱心に説明した。エイナウディは、「このプロジェクトに関わることができて非常にうれしい。是枝監督の過去の作品も、とてもステキだと思っていたので非常に光栄です」と応じた。

 是枝監督は、エイナウディの「四次元」を聴いて雪景色が浮かび、主人公2人の故郷を北海道に設定した。「今回は『人間が人間を裁けるのか』とか、けっこう難しいテーマに取り組んでいるのですが、ビジュアルのイメージとしては火だったり、雪の白だったり、血の赤だったりと、すごく明快にと思っています。そこにエイナウディさんの音楽がすごくフィットするのではないかな」

 これには、エイナウディが「雪の中では周りの音があまり聞こえなくなって、自分の中にある気持ちや感情を感じさせてくれると思いますが、そのような部分を音楽で表現できたらと思っています」。福山からも「大変光栄です」と声をかけられ、思いを一つにした約1時間。4月に来日公演があり、あらためて映像を見て音楽制作に入る。

<エイナウディの実績> 英独米合作ドラマ「ドクトル・ジバゴ」(02年)は、ニューヨーク・フェスティバルで最優秀サウンドトラック賞、仏伊スイス合作映画「そして、デブノーの森へ」(04年)は、アビニョン映画祭で最優秀作曲賞。アルバム「時の移ろいの中で」は、英国ポップチャートでビヨンセ、アデル、レディ・ガガについで4位を記録。昨年は環境保護キャンペーンの一環で、北極海の流氷の上でピアノを弾いて世界的な話題になった。イタリア共和国功労勲章受賞。

 

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