【ソウル時事】韓国の朴槿恵前大統領が罷免された10日、ソウルの憲法裁判所付近で朴氏支持者とみられる男性2人が倒れ、病院に搬送されたが、死亡した。また、消防当局によると、厳戒態勢を敷いた警察と朴氏派が衝突するなどし、60人が負傷した。
韓国メディアによると、死亡したのは72歳と60歳の男性。2人の死因など詳細は不明。72歳の男性は憲法裁周辺の道路上で血を流して倒れていた。60歳の男性は周辺の駅地下で意識を失った状態で発見されたという。
憲法裁付近では、弾劾に反対する集会参加者らが警察とにらみ合い。一部が「憲法裁を粉砕しよう」などと叫び、警察車両に突進し、バスを破壊。報道陣に鉄パイプのようなものを投げ付けたり、集団で殴りかかったりした。
共同通信総務局によると、取材中の共同通信の韓国人男性カメラマン(53)が朴氏支持者とみられる複数の男から暴行を受け、頭部に全治2週間のけがをした。
朴氏支持者と警察のもみ合いの様子を撮影していたところ、後方から投げ付けられた鉄パイプがカメラマンの顔面左側を直撃。さらに後ろから殴りかかられ、後頭部に血がにじむけがをしたという。
弾劾支持派と反対派の集会は夜も続いた。韓国メディアによると、罷免された朴氏は10日、青瓦台(大統領府)から退去し、ソウル市内の私邸に移る予定だったが、警護上の理由から滞在を1日延ばすことにした。