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【釜山・慰安婦像設置】
慰安婦像の“公共物化”が進む韓国 撤去にはほど遠く 駐韓日本大使の帰国から9日で2カ月
【ソウル=名村隆寛】韓国・釜山(プサン)の日本総領事館前に慰安婦像を設置した国際条約違反に、日本政府が長嶺安政駐韓大使の帰国などの対抗措置を取って9日で2カ月となる。しかし、像が撤去されないばかりか、逆に「公共造形物」に指定する動きもある。「公共物に指定されれば、容易に撤去できない」との狙いがうかがえ、状況はむしろ悪化している。
日本による朝鮮半島統治下の1919年に起きた「3・1独立運動」の記念日の今月1日、釜山の総領事館付近では抗議集会が開かれ、総領事館に向け非難の声が浴びせられた。慰安婦像設置と同様、外国公館の威厳の侵害を禁じたウィーン条約に反した行為だ。
警察は当初、集会を禁止したが、主催団体の仮処分申請を受けた釜山地裁が「外交機関の機能や安寧を侵害する懸念は低い」とし許可した。釜山では市議会議員が先月末、慰安婦像の公共造形物指定を求める条例案を発議するなど、像保存の動きは強まっている。
また、ソウルの日本大使館前の慰安婦像も公共造形物に指定されそうだ。地元の鍾路(チョンノ)区では4月にも区議会本会議で「像を公共造形物と規定し、区が管理する」との内容の案が可決される見通しという。