坂東忠信(外国人犯罪対策講師)

 国連人口部の定義によれば、移民とは「主権のある母国を1年以上離れて外国に暮らす人」を指しています。そしてこの移民の概念には正規滞在者はもちろん、密入国者や不法滞在者、難民申請中の人、さらに帰化した初代も含まれます。

 逆に言うと、本国人とは「本国生まれ本国育ちで本国の国籍を持つ者」であり、それ以外は「移民」として区別され、移民には初代帰化人を含め参政権が制限されるなど、明確な区別が存在するのです。

 しかし日本人はこうした移民の定義など政治家でさえ知りませんし、それでいて移民政策をぶちあげたり、なぜか黒人や白人などの人種の違う外国人による集団的定着をイメージしたりしているため、実際に日本が移民国家であることに全く気がついていません。

 実は日本は「先進的移民政策失敗大国」なのです。

 日本には戦後、「国籍離脱者とその子孫」による「特別永住者」という滞在資格保有者が定着しています。国際結婚などにより50を超える国籍にまで及び、外国籍のまま子々孫々に至るまでその血筋によって外国に滞在できるというシステムは他国に類例がありません。
 しかも、一般外国人のような犯罪検挙による強制送還もないため、「在日」外国人枠内での犯罪検挙件数・検挙人口ともに朝鮮半島系がぶっちぎり状態です。警察庁が気遣って公表しなかったため、逆に暴露拡散されて(暴露したのは私ですが…)、日韓外交に関する世論にまで大きな影を落としているのです。詳細は昨年出版された拙著「在日特権と犯罪」にて資料を元に詳しく説明しておりますが、この件一つを見ただけでも、日本はすでに移民国家であり、移民政策に失敗していることがおわかりでしょう。

 総務省の在留外国人統計(2016年6月現在)での「国籍・地域別 在留資格(在留目的)別 在留外国人」や同年7月1日現在の「国籍・地域別 男女別 不法在留者数の推移」によると、現在、日本には、230万7388人(中長期滞在者+特別永住者:平成28年6月時点)+6万3492人(不法在留:平成28年7月1日現在)=237万0880人の「実質的移民」が存在します。