「俺はセックス依存症だ。性処理してくれる人を求めている」――ベストセラー『日本会議の研究』著者・菅野完氏が“性的暴行”で訴えられていた!

20160801 06
日本最大の保守系団体『日本会議』について著した『日本会議の研究』(扶桑社新書)。同書で注目を浴びている著述家の菅野完氏(右写真)が性的暴行事件を起こしていたことが、本誌の取材でわかった。30代の被害女性は昨年12月、200万円の損害賠償を求める民事訴訟を起こし、現在係争中である。また、女性は6月30日、警察に被害届を提出した。裁判資料等によると、事件が起きたのは2012年初夏。菅野氏は自身のツイッターで、生活保護バッシングに対する意見広告を新聞に出す運動を呼びかけていた。これに前出の女性が賛同。ツイッターや電話で数回やり取りをすると、「会って挨拶したい」と菅野氏に何度か言われ、東京都内で会う約束をした。当日、遅れて到着した菅野氏は、「意見広告の件で公安に追われている」と怯えた様子を見せた。更に、「直ぐにパソコン作業をする必要がある」として、家に行っていいか女性に尋ねてきた。初対面なので女性は面食らったが、菅野氏が切羽詰まった様子なので断り切れず、作業の様子を録音することを前提に申し出に応じた。家で作業をする間、菅野氏は「セックスしたい」等と女性に繰り返し発言。自身の命が狙われている趣旨の説明と意見広告の文面を読み上げた直後、一旦録音を止めようとした女性を押し倒した(女性の悲鳴の冒頭が録音に残っている)。抑え込んで離れない為、女性が抵抗して顔を横に背けると、菅野氏は頬に顔を押し付け、キスをした。「ホンマに怖いねん。抱っこして」。菅野氏がそう言いながら背中に数回手を当てると、女性から離れたという。その後も、「お前とセックスしたい」「口説いていいか」と菅野氏は言った。女性は犯される恐怖から、菅野氏の神経を逆撫でしないよう接し、何とか家を出て行かせた。以後、菅野氏は暫く、インターネット上で付き纏い等をしてきた。女性は菅野氏所属の運動体に、他に被害が出ないよう周知を頼んだ。だが、「運動を潰す訳にはいかない」「運動と関係が無い」等と言われ、訴えを聞き入れてもらえなかったという。

女性は「自分が間違っている」と感じ、その後沈黙したが、友人らを介して、2014年5月に菅野氏から謝罪文を受け取った。謝罪文には、「仕事や社会運動等で多忙かつ危険な状態においこまれており、理性的な対応ができず」「押し倒すなどの性的な行為」を働いたとして、“反省”の意が表されている。だが、被害女性はこう話す。「彼は事件後もツイッターで、女性を擁護する正義漢ぶった発言を繰り返していて、吐き気や眩暈が止まりません。『ツイッターに謝罪の意も載せてほしい』等の要求には耳も貸さず、反省しているとは到底思えない。抑々、彼は裁判に一度も出廷していませんし…」。女性は、事件後からずっと心療内科に通院しているという。担当医は、「不安神経症・不眠・鬱傾向・PTSD(心的外傷後ストレス障害)傾向が現在もある。加害男性のインターネット上での度重なる発言行為によるストレスも原因」と診断している。一方の菅野氏は裁判の答弁書で、“性的暴行”と被害女性の病状に「因果関係は認められない」等と主張。本誌の取材に対し、「被害者のご意向を尊重し、真摯に向き合い、反省したい」とした上で、「『因果関係を認められない』というのは僕の主張ではなく、係争案件なので弁護士が行った確認作業です。更正プログラムも受けている」と話した。だが、菅野氏が受けた団体の更正プログラムはドメスティックバイオレンス(DV)加害者が対象で、同団体は「性暴力加害者には内容がそぐわない」とした。また、「プログラムを受講しても更生したとは言えない。更生したかを決めるのは被害者ですから」と強調した。また、菅野氏は答弁書にて、被害女性は事件当日、「“暴行”後も自身に“友好的”だった」とも述べている。これに対し、性差別・性暴力事件に詳しい板倉由実弁護士は、「被害者は『被害を最小限に抑えたい』との心理等から、止むを得ず加害者に迎合する態度を取ることがある」と指摘した。被害女性が続ける。「“被害”に遭った他の女性たちにも話を聞きました。菅野氏は様々な運動において、真摯に取り組む女性の思いを巧妙に利用し、ハラスメントや付き纏い等をしているようです。ある女性は、初めて電話を受けた際に、『俺はセックス依存症だ。性の処理をしてくれる人を求めている』と言われたそうです」。今月1日にも自身のツイッターで、慰安婦報道に関して「完全に“女性の人権”って観点抜けてますよね?」と批判した菅野氏だが、この発言が自身に跳ね返ることには考えが及ばないのだろうか――。 (取材・文/本誌編集部)

■本誌記事をめぐる誤解と中傷について
http://www.kinyobi.co.jp/news/?p=3598


キャプチャ  2016年7月15日号掲載
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テーマ : 刑事事件・裁判関連ニュース
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