(潔)いっぺんお父さんにお会いしてみてはどうやろ?
(紀夫)男三兄弟の末っ子ですし婿に出すのもそんなに難しい事やなかったと思います。
親が子を思う気持ちに変わりなんてないわ。
(すみれ)あらお義父様。
(五郎)ハッハッハ…早く着いたから歩いてきたよ。
そうですか。
ご無沙汰しております。
父さん。
(五郎)お〜。
紀夫元気そうじゃないか。
ええ父さんも元気そうで。
どうぞ。
ああ。
迎えに行こうと思ってたのに…。
(五郎)年寄り扱いするな!ハッハッハ…。
・「『雨上がりの空に七色の虹が架かる』」・「ってそんなに単純じゃない」・「この夢想家でもそれくらい理解ってる」・「たとえば100万回のうちたった一度ある奇跡」・「下を向いてばかりいたら見逃してしまうだろう」・「さぁ空に架かる虹を今日も信じ」・「歩き続けよう」・「優しすぎる嘘で涙を拭いたら」・「虹はもうそこにある」・「きっと虹はもうここにある」どうぞ。
ああありがとう。
ありがとう。
どうしたんだ?急に話があるって。
何があったんだ?ああいや…。
まあそんな大した事やないんですけどちょっと聞いておきたい事があって。
何だ?僕を婿に出した時の事なんやがその時の話をちょっと聞かせてもらえたら思うて。
(五郎)うん…。
覚えてますか?わしらの事を恨んでるのか?えっ…ま…まさか!恨みなんてそんな一つも…これっぽっちもありません。
何言うてるんですか。
僕はこれまでも幸せやったし今も幸せです。
そうかそうか。
いくつになっても一番うれしいのは子どもが幸せな事だからな。
母さんとわしはなぁすみれさんと紀夫がうまくいきますようにと祈っとったんだ。
い…祈る…?どういう…?紀夫の初恋の人だろ?すみれさんは。
えっな…な…何で知ってるんですか!何だ。
知らなかったと思ってるのか?ハッハッハッハ…!すみれさんすみれさん!・は〜い!余計な事言わんといて下さい。
何でこんな話を急にしたくなったんだ?ああ…いや〜実はさくらが結婚したいと言うてるんです。
ああ…!
(紀夫)ただ…。
父さんにも母さんにもいろんな思いがあって坂東のお義父さんにも僕は約束をしました。
坂東の家を継ぐという事を…。
そやからさくらには婿を取ってもらわんと困るんです。
ああなるほど…。
わしは思うんだが家を継ぐっていうのは何だろうな?ん?名字が変わっても紀夫という大事な息子は今ここにいる。
生きている。
紀夫が生きているという事はこれまで命をつないで下さったご先祖様がいるからだ。
長い長い歴史の中何事も形を変えていく。
それでも思いだけは…。
思いというのは形を変えて引き継がれていくもんじゃないのか?もう坂東営業部という名前はないけどお義父さんの信念や思いはオライオンにある。
もちろん僕らの中にも。
そうね。
(君枝)話というのは…?ええ。
2人の結婚の事なんですが…。
さくら。
嫁に行きなさい。
(さくら)えっ?ほんまに…?はい。
ただ知っておいてほしい。
坂東の家の事や。
はい。
お母さんが幼い頃にトク子おばあ様から聞いたお話よ。
(トク子)すみれのお父さんはな次男坊やっただけに理不尽な思いしてな一人で大阪に出てきてここまで頑張ってきたんや。
晩年は仲直りしたけれど昔おじい様と近江の長太郎伯父様との間にいろいろあっておじい様はたった一人で家を飛び出したんやって。
体の弱かったおばあ様もそんなおじい様を一生懸命に支えてね…。
おばあ様が近江から送った品をおじい様が大阪で売る。
そうやって今のオライオンの前身の坂東営業部という会社を作り上げたの。
そんなおじい様とおばあ様の頑張りが坂東家の始まりなのよ。
そんな中お母さんとゆり伯母さんが生まれてそしてさくらが生まれたんや。
戦争というつらい経験をしたけれど私たちは今こうしてここにいる。
おじい様とおばあ様の思いだけは引き継いでねさくら。
はい。
さくらをよろしくお願い致します。
よろしくお願い致します。
はいありがとうございます。
(大島)ああそれはそれは…。
いやおめでとうございます。
(小山)おめでとうございます。
(2人)ありがとうございます。
まあ座って。
できましたら大島会長に仲人をお願いしたいのですがいかがでしょうか?喜んで!家内も喜ぶと思いますよ。
(紀夫)ありがとうございます。
健太郎君。
(健太郎)はい。
さくらちゃんの名前の由来を聞いた事は?あ…いえ。
名前は親が子どもに最初に贈るプレゼントなんだ。
そうですね…。
さくらの名前の由来お聞きしてもいいですか?ああ。
すみれのお母さんの名前がはなさんやったんや。
そう。
そやからお姉ちゃんがゆりで私がすみれ。
2人とも花の名を付けてもろうたのよ。
お母さんのようにそのまたお母さんのように美しく花咲く人生を送ってほしい。
そんな思いを込めてさくらと付けた。
そうやったんですね。
そんな親御さんの思いを決して忘れないように。
そして夫婦そろって家族そろって幸せという大輪の花を咲かせて下さい。
(健太郎さくら)はい。
(はな)
こうしてさくらは坂東さくらから村田さくらになりました
よいしょ…。
はぁ〜。
今夜はお赤飯と鯛を食べましょうね。
そうやな。
うん。
そしたら着替えてお茶でも飲みましょか。
・
(さくら)ただいま〜。
(紀夫すみれ)え?どうした?さくら…健ちゃんもどうしたの?私たち今日からこっちでお世話になってもいい?えっ?ほらよく考えたら村田の家に住むとほら…家と職場が一緒になるでしょ?僕も家と製作所が一緒やったのがほんまに嫌で…。
昭一さんと君ちゃんにはちゃんと話してるのよね?はい。
きちんと納得してもらいました。
そう。
それやったらええぞ。
ありがとうございます。
お世話になります。
はい。
そしたら荷物置きに行こか。
ああ。
お茶でもいれましょか。
うん。
そして…
さくらと健太郎君の結婚から3年後の昭和48年です
(足立)・「あれは三年前止めるあなた」ああおはよう。
おはようございます。
健太郎君ちょっと。
はい。
君に内示が出たんじゃ。
えっ内示ですか?そうじゃ。
来月から開発宣伝部の部長じゃ。
僕が?
(足立)うん。
足立部長は?いや…わしも1つ上がっち取締役んなる。
健太郎君はこの春からキアリスの開発宣伝部長になりました。
そしてさくらは…
(君枝)少し目立ってきたねぇ。
はい。
(良子)さくらちゃんも秋にはお母さんか。
まだ実感ないですけど…。
すみれちゃんも君ちゃんもおばあちゃんになるのね。
まだ実感ないわ。
大丈夫?ありがとう。
無理しないでね。
うん。
2017/03/07(火) 12:45〜13:00
NHK総合1・神戸
連続テレビ小説 べっぴんさん(129)「あいを継ぐもの」[解][字][デ][再]
坂東家の存続について悩むすみれ(芳根京子)と紀夫(永山絢斗)は、紀夫の実父である田中五郎(堀内正美)を家に招き、息子を婿に出した親の気持ちを初めて知る。
詳細情報
番組内容
坂東家の存続について悩むすみれ(芳根京子)と紀夫(永山絢斗)は、紀夫の実父である田中五郎(堀内正美)を家に招く。婿養子として坂東家に入った紀夫は、自分をどんな気持ちで婿に出したかについて、親の気持ちを初めて知ることになる。後日、すみれたち夫婦は、君枝(土村芳)と昭一(平岡祐太)と会い、さくら(井頭愛海)が村田家に入ることを許すのだった。一人娘を嫁に出し、寂しく感じていたすみれたちだったが…。
出演者
【出演】芳根京子,谷村美月,菅野美穂,百田夏菜子,土村芳,永山絢斗,田中要次,平岡祐太,中村玉緒,伊武雅刀,中島広稀,井頭愛海,古川雄輝,森永悠希,堀内正美,夙川アトム
原作・脚本
【作】渡辺千穂
ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
日本語
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日本語(解説)
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