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 韓国の朴槿恵(パククネ)大統領に対する弾劾(だんがい)審判の結果が10日に出る。憲法裁判所の憲法研究官も務めたことがある金河烈(キムハヨル)・高麗大法学専門大学院教授(53)に聞いた。

 ――韓国の憲法裁判所は1988年にできました。その背景は何でしょうか。

 韓国は1987年に民主化された。それまでは軍事政権が続き、憲法が守られなかった。民主主義のもとで憲法で定められた国民の自由や人権を守るためには憲法裁判所が必要だった。

 歴史を振り返っても、韓国ではかつて法律の違憲判断は一般の裁判所ではなく、憲法委員会という機関が担っていた。その意味で憲法裁を設けたというのは自然な流れでもある。

 ――一般の裁判所との違いは何ですか。

 韓国には一般の裁判所と憲法裁の二つがあり、それぞれ別の機関だ。一方で、憲法裁は大法院(最高裁)と同等の地位がある。ただ、憲法裁の権限は一般の裁判所と異なり、違憲法律審判、弾劾審判、政党解散審判など五つに限られる。

 ――朴槿恵大統領が憲法裁の弾劾審判で罷免(ひめん)されるとすれば、どういう理由が考えられますか。

 憲法裁は2004年に盧武鉉(ノムヒョン)大統領の弾劾審判で決定を出している。これは判例とみることができる。

 決定文には「大統領の職を維持することがこれ以上憲法守護の観点から容認できなかったり、大統領が国民の信任を裏切って国政を担当する資格を失ったりした場合に限り、大統領に対する罷免は正当化される」とある。つまり、この二つのどちらかに該当すれば罷免されるということだ。

 後者の「大統領が国民の信任を裏切って国政を担当する資格を失った場合」については、収賄や不正腐敗などを列挙している。

 今回のケースで考えれば、国会は民間人であるチェ・スンシル被告による国政介入を容認したことが憲法に定められた国民主権や法治主義に違反したと指摘している。職権乱用や強要なども挙げている。こうした憲法違反または法律違反が認められなければならない。

 ――しかし、チェ被告らの公判…

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