おはようございます。アズマです。
デジマラボの読者は、ほとんどがwebに関わる方だと思いますが、メールマーケティングでお困りの方も多いと思います。
そこでプッシュ通知が気になっている方も多いのではないでしょうか。たとえばメディア運営で新しい記事が公開されたらプッシュ通知。なんて…できたらいいですね。
今回紹介するJorenはまさにそんなことができてしまう凄サービス。webサイトのデータを使って、ネイティブアプリが作れる……!すごいです。
その仕組みと、なぜ生まれたかというところを開発元のフラー株式会社の渋谷さんにおうかがいしてきました。
インタビューに入る前に、まずはザックリとJorenの凄さをご説明させてください。
ユーザーがすることは、サイトURLを入力したらダッシュボードでアプリの名前、色、デザインなどをテンプレートから選ぶだけ。
そう、これだけ。
あとは、ストアで公開されるのを待つのみ。誰だって出来ます。
気になる仕組みは、サイトURLを入力すると、サイトに最適なオウンドメイドのクローラーが作られ、1時間に1度クローリング、webサイトの要素を抜き出し、Joren側のサーバーに保存。
そしてココからが凄い!
AndroidならjavaにiOSならSwiftにコードを自動でコンパイルしapk、ipaファイルで保存。
ストア申請する前にJorenのアプリエキスパートがレビューし、クオリティを担保。
iTunes、Google storeの申請も自動でアップロード!
万が一、審査が通らなくてもエキスパートチームが原因を把握し、わかりやすく伝えてくれるんだとか。そして、ストアに公開されれば、後は自由にDLして使うだけ。
凄すぎる…
現在、テンプレートデザインはまだ4種類だそうですが、今後ドンドン増えていく予定なんだとか。
アプリの機能もwebサイト側に検索やお気に入りがなくてもローカル側のキャッシュで対応、さらにiPhoneの感圧タッチなどにも対応していたりと技術的にもまったく問題なし。
とはいえバージョンアップとかトラフィックとか、なんだかんだ運用コストが嵩むなぁとか思いがちですが、バージョンアップやトラフィックもJoren側で対応してくれるんだそう。
すなわち。運用費ゼロ!(正確にはトラフィックが増えた場合は、その分のサーバーコストだけはかかる。)
昨年の夏に海外版、今年に入って国内版を公開してから、すでに数千件の申し込みがきていて、なんと70カ国以上から問い合わせが来ているそう、、、そりゃそうだわと…
こんなぶっ飛んだ(最高な)システムをいったいどうやって思いつくんでしょうか。凄く興味があるので、かなり根っこの部分から聞いてみました。
―Joren凄すぎます。どういったストーリーで思いつくのか、かなり根っこの部分から聞いていいですか?
最初は学生でインターンエンジニアとして週に4日、某国内最大手インターネット企業に行ってたんだそう。
起業を考えていたので、マーケティングさせてくれるなら。といった感じで、そのままマーケターとして入社したんだとか。
当時は、スマホ初期でスマホユーザー獲得が任務。まだまだガラケーユーザーの方が多くスマホの宣伝をマス広告するには時期尚早、とはいえアドネットワークもない時代。
そこで考えたのがゲームアプリなどに、開発費を支援してSDKを積んでもらうという戦略を考えついたんだとか。
とはいえ、どこに依頼するのがいいか?
そこでアプリストアのDLランキングをウォッチする仕組みを作り、自社のDL数とランキングを参考に他社アプリの総DL数を予測するシステムを作ったんだとか。
それによりDL数×相性で優先順位をつけて、このアプリにはこれくらいの開発支援金がだせると金額を決め、営業したんだとか。
この施策は大当たりし、ユーザー数が激増したそう。
そんなとき、会社がアドネットワークに進出。スマホの広告営業をやりだしたそうなのですが、DL数が多いところから営業するなど“アプリの総DL数”が活用されたんだそうです。
―なるほど。そのときにデータって価値あるな!って思われた感じですか?
ただ、半年くらいしてから精度が悪くなってきてしまったんですね。
DL数が多くても、アクティブなユーザーが何人いるかはわからなかったんです。
そこで、アプリでUUがわかるものがないことに気づいたんだそうです。
アプリのUUは、マーケ以外にもセールスのアタックリストやM&Aの信用調査だったりと様々な場面で必要になると確信しApp Apeが生まれ、独立したんだとか。
完璧にマーケター視点のスタートアップ。無いなら作ってしまおうというわけです。
―それで「App Ape」ができるわけですね。まだ「Joren」はでてきてませんが、どう繋がるんでしょうか。
こんなにみんなが知りたい情報がなぜウケなかったのか。需要はありそうですが。
当時は、そこまで市場が成熟しておらず、アプリのデータを使ってビジネスしようという感度の高い会社は少なかったそうです。
しかし、ご存知の通りスマホ市場が爆発的に成長した1年後…ある程度たまってきたデータを無料公開すると、初日でユーザー登録が1,000件以上増えるほどバズったんだそう。
Facebookが初めてのSNSじゃないように、大事なのはタイミングなんでしょうね。
そして、2016年のスマホアプリの解析データを紐解くと、大手食品店などの店舗アプリが増え、成果をだしていたんだそうです。
ある企業では、従来配布していたクーポンよりアプリの方が3倍の効果があり、2、3ヶ月に1度来店していた人がアプリを導入してからは、月に1度来店するようになったんだとか。
アプリのプッシュ通知が、ユーザーのLTVをあげるのにたいへん効果的だったそうです。
2016年は店舗がアプリで成果を上げた年になったんだとか。
アプリ化には大きな価値があることが実証され、今後は店舗や習慣的に必要なものは絶対アプリ化する時代になるのでは……なんて語っていただきました。
2003年頃は全世界でwebサイトは、まだ100万くらいだったそう。しかし、WordPressなどのCMSの登場により数十億に膨れ上がったんだそうです。
現在、webサイトは数十億あるのに、スマホアプリはまだ2、3百万なんだとか。
今後アプリも同様にアプリ版のCMSの登場でどんどん数が増えてくる時代になる。と渋谷さんは予想しています。
アプリビジネスに関わるすべての人が必要なツールを目指しています。
アプリ制作はiOS、Android、サーバーサイドのエンジニアが必要で、デザイナーもiOSとAndroidがあるので大変、webサイト制作の3倍のリソース必要なんだとか。
そこにバージョンアップやメンテナンスなど、運用にもお金がかかる。
これまでは大手かIT系やゲーム会社しか作れなかった。
2016年の成果を聞いてアプリ化したいと思っている店舗は無数にある。
それを解決するために、フレームワークを作り安価で提供することをはじめたんだそうです。
現場にいるマーケターならではの「気づき」。
今後はアプリ内でマネタイズができるようになるとのことで、詳細は非公開らしいですが、アプリ内での完結を目指すようです。
そうなれば、すべての業界に対応可能です。
いったい今後どこまで伸びていくんでしょうか?
たいへん注目の企業です。
渋谷さん、またJorenの説明をしていただきました取締役CTOの藤原さん、お忙しいところありがとうございました。