民泊 届け出義務づける法案 閣議決定

民泊 届け出義務づける法案 閣議決定
住宅の空き部屋などを有料で貸し出す「民泊」について政府は10日の閣議で都道府県に届け出を義務づけ、年間の営業日数は180日を上限にすることなどを盛り込んだ新しい法案を決定しました。
住宅の空き部屋を旅行者に有料で貸し出す「民泊」は、地域を限定して規制緩和を行う「国家戦略特区」で認められているほか、カプセルホテルなどと同じ「簡易宿所」として都道府県などの許可をとれば営業できます。

しかし、無許可で営業を行う「違法民泊」が各地に広がり地域住民との間で騒音などのトラブルが起きているため、政府は、民泊のルールや罰則を定めた新たな法律案をまとめ、10日朝の閣議で決定しました。

法律案では「民泊」を行う場合には、都道府県への届け出を求め、部屋の衛生の確保や宿泊者名簿の作成、それに宿泊者に対する騒音防止の説明などを義務づけます。また、ホテルや旅館と区別するため年間の営業日数は180日を上限としたうえで、都道府県や政令指定都市などが条例でさらに日数を短くすることも認めています。違反があれば国土交通省や都道府県が立ち入り検査などを行って業務の改善を命令し、従わない場合は罰金などを科すことも盛り込みました。

政府はこの新しい法律案を今の通常国会に提出し、成立を目指すことにしています。

国交相「健全な普及を」

「民泊」のルールを定めた新たな法律案が10日朝の閣議で決定されたことについて、石井国土交通大臣は「急速に拡大する民泊サービスについて騒音やゴミ出しをめぐる近隣トラブルが社会問題となっていたことから一定のルールを作り健全な民泊の普及を図る。適切な規制のもと、地域の実情にも配慮しつつ、旅行者の多様化する宿泊ニーズに対応できるようになると期待される」と述べました。

また菅官房長官は閣議のあとの記者会見で、「訪日外国人の宿泊ニーズが多様化している中で、いわゆる民泊が急速に増加しているが、治安・衛生面での懸念や近隣トラブルが社会問題になっていることも事実だ。一定のルールを定める法律により、民泊の健全な普及が図られることで、訪日旅行者の利便性や快適性が高まることを期待したい」と述べました。