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コーチンファン増やそう 小牧で初の商品展示即売会

名古屋コーチンの肉や卵、加工食品を買い求める人でにぎわう特設ブース=小牧市小牧3のラピオで

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 県と名古屋コーチン協会の申請で昨年、日本記念日協会(長野県佐久市)が十日を「名古屋コーチンの日」と認定したのを契機に、コーチン発祥の地である小牧市でコーチンファンを増やそうと九日、初の商品展示即売会が始まった。即売会は十日も開く。

 コーチンは明治時代、旧尾張藩士の海部壮平・正秀兄弟が現在の小牧市池之内でつくり出した。歯応えがあり、濃厚な味が特徴で、一九〇五(明治三十八)年三月十日、日本家禽(かきん)協会に実用品種と認定された。

 だが、ブランドとしての知名度は高いが、食べたことのある人が少ないのが課題。そこで小牧市や小牧商工会議所、市観光協会は連携して動きだした。

 市と商議所などは記念日前日の九日、小牧市小牧三のラピオで、コーチン関連商品の展示即売を初めて実施。パック入りの肉に加えて、卵や丸鶏、レトルトカレー、卵を使ったパウンドケーキも用意した。

 訪れた同市内の主婦田上光江さん(70)は「一度にたくさんの種類の品が見られるのは珍しいし、うれしい」と楽しんでいた。

 即売会の開催以外に、商議所は市内の飲食店にコーチンを使ったメニュー開発も呼び掛け、肉の仕入れ先を紹介する支援を始めている。

 同市新町一の洋食店「キッチン天の川」は、二月からコーチンを使った「チキン・コルドン・ブルー」をメニューに加えた。ハムとチーズを胸肉で包んだカツレツは、肉のうま味がたっぷりだ。

 オーナーシェフの渡辺貴彦さん(35)は「コーチンは高くて手が出せないと考えていたが、支援策のおかげで挑戦できた。洋食でコーチンは珍しいのか、評判も良い」と喜ぶ。コーチンメニューには市内の居酒屋やイタリア料理店なども関心を示している。

 生産者も記念日をチャンスととらえる。コーチンを年間十八万羽出荷するタッキーフーズ(同市小牧原新田)は市内の小中学校の給食で食べてもらうために一万二千食分、四百キロの肉を市に寄付した。十日の給食で児童生徒に振る舞われる。

 小出友則社長(72)は「まずは地元発祥の鶏を食べて、味を知ってもらいたい。今後も官民一体の体制を続けて消費拡大を目指す」と力を込めた。

 (藤原啓嗣)

 

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