トップ > 岐阜 > 3月10日の記事一覧 > 記事
岐阜無料が奏功、来館者2倍 関・フェザーミュージアム
関市と美濃市に生産拠点があるフェザー安全剃刀が運営する刃物の総合博物館「フェザーミュージアム」(関市日ノ出町)が、昨年三月のリニューアルオープンから十三日で一年を迎える。入場無料で展示内容も充実し、来館者は改築前の二倍の年間約四万人と好調な船出となっている。 玄関から館内に入ると、広々としたロビーには高さ二・五メートルの巨大なカミソリのモニュメントがそびえ立つ。企業の歴史に沿って並べられた製品の紹介コーナーや、テレビCMで使った小道具の展示ブース、さらにはカミソリの切れ味を来館者自ら確かめられる専用の洗面所など、刃物に興味を持たせる仕掛けがいっぱいだ。 二〇〇〇年九月のオープンで、一五年三月から一年間、耐震化や展示内容の変更に伴う建て替え工事をした。展示点数は現在、約六千点に上る。 ミュージアム事務局の粥川茂市さん(67)は、来館者が好調な理由に「入館料が無料である」ことを挙げる。「モネの池や関善光寺、そして当館と関には無料で楽しめるスポットが多く、相乗効果で来館者数が増えている」と分析。来館者の半数は県外からという。 昨年は同社にとって忘れられない年だった。相談役で名誉館長だった故岸田昌久さんが十一月に八十八歳で死去。市観光協会長も務めた岸田さんは「フェザーミュージアムを観光の起爆剤に」との思い入れが強く、お別れの会などの機会に訪れた人も少なくなかったという。それだけに、遺志を引き継ぐ粥川さんは「目新しさが無くなる二年目が勝負」と気を引き締める。 市が観光拠点として一帯を整備する「刃物ミュージアム回廊」事業に含まれる同ミュージアム。関市の永田千春経済部長は「関鍛冶伝承館、県刃物会館と合わせて刃物のまちをPRする拠点にしたい」と将来を見据える。 二十六日には一周年を記念し、地元のギターマンドリンクラブの無料演奏会が催される予定。粥川さんは「イベントを行ったり展示物を模様替えしたりして、リピーターの増加につなげていければ」と話している。 (大野雄一郎) PR情報
|
|
Search | 検索