4次元視空間物質の特徴「タイム・クリスタル」…ハーバード大博士課程の韓国人学生らが初めて観測

4次元視空間物質の特徴「タイム・クリスタル」…ハーバード大博士課程の韓国人学生らが初めて観測

2017年03月09日10時52分
[ⓒ 中央日報/中央日報日本語版]
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チェ・ジュンヒさん(左側)・チェ・スンウォンさんがタイム・クリスタルに関する数学公式や原理などを書いた黒板の前でポーズを取っている。
  米ハーバード大学博士課程に在学している韓国学生らが量子力学分野で既存の固定観念を破る研究で国際的な科学ジャーナル「ネイチャー(Nature)」誌に論文を投稿する成果を上げた。2人の主人公はハーバード大学で物理学を専攻しているチェ・スンウォンさん(30)とチェ・ジュンヒさん(31)。

  ネイチャー誌によると、2人は新しい物質の形態である「タイム・クリスタル(時間結晶、time crystal)」を世界で初めて観測することに成功した。今回の研究は、視空間をどのように理解するかに関して根本的な問いを投げる成果であると同時に、近い将来に量子コンピュータや量子精密計測などの開発に向けたコア技術に応用されることができるものと学界では期待している。

  これまで世界物理学者は、自然界に存在する物質の中で「対称性」がどのように破れるかについて研究してきた。たとえば、物質が液体や気体状態から固体に変わるのは原子と分子が自由に漂ううちに規則的に配列されることで結晶構造を持つものだが、物理学者はこれを「空間に関する対称性の破れ」と表現している。自然の中で見られる現象はほぼ対称性が破れる原理で説明することができる。

  2012年ノーベル物理学賞を受賞した米マサチューセッツ工科大学(MIT)のフランク・ウィルチェック教授は、空間でない時間上でも対称性が破れる「タイム・クリスタル」が実現可能だと主張してきた。その後、多くの物理学者はタイム・クリスタルの実現を試みてきたが、通常の方法では不可能だという結論を出した。チェ・スンウォンさんとチェ・ジュンヒさんの共同研究は、このように不可能と決め付けられてきたタイム・クリスタルを初めて可能にさせたものだ。2人はダイヤモンドの中に存在する人工原子100万個を使う方法を用いた。ネイチャー誌は「ハーバードチームが統計物理学で説明できない新しい量子力学的物質の状態を実現したのは世界初であり、非常に異例的」と評価した。

  チェ・スンウォンさんとチェ・ジュンヒさんはそれぞれ、韓国大田(テジョン)科学高校と漢城(ハンソン)科学高校を2年で早期卒業した英才だ。スンウォンさんはその後、米カリフォルニア工科大学を首席卒業し、ハーバード大学物理学科に入った。ジュンヒさんは高校の早期卒業後、KAISTに入学し、やはり首席卒業した。2人はハーバード大学物理学科の博士課程に入り、共同研究を行うことになった。チェ・ジュンヒさんは「タイム・クリスタルの発見は驚くべきものだが、その性質に対する理解はまだ初期段階」とし、「今後、とても興味深い研究テーマが多くなるものと期待している」と述べた。今回の研究はネイチャー誌9日付(韓国時間)にオンラインで公開された。
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