中国版ツイッターの微博(ウェイボー)には7日、河南省ラク河市(ラクはさんずいに累)で若い女性数十人が「THAAD反対」の街頭デモを行う様子の動画が広がった。国旗の五星紅旗を掲げた女性たちはリーダーが叫ぶスローガンを復唱し、「韓国を制裁しよう」「ロッテは中国から出ていけ」などと気勢を上げた。
現在中国全土の大学、高校、職場などでは「THAAD反対」の決起大会や街頭デモが行われ、その様子が相次いでインターネット上に投稿されている。中国のTHAAD反対が個人の不買運動を超え、集団的な反韓行動へと発展しつつある格好だが、街頭集会やデモが厳しく規制されている中国の現実を考えると、事実上の「官製デモ」だとの指摘もある。
反韓感情を助長する偽のニュースやうわさも広がっている。「韓国環球新聞眼」という正体不明のメディアがロッテの辛東彬(シン・ドンビン)会長=日本名・重光昭夫=にインタビューしたという虚偽報道が代表的だ。辛会長が中国のロッテに対する報復に笑みを浮かべ、「中国人は利益しか知らない集団なので、ロッテが値下げさえすれば、すぐに商品を買いに来る」と発言したという内容だ。
7日には韓国にTHAADの装備が一部到着したというニュースが流れ、中国の韓国人社会は緊張状態に包まれた。北京の韓国人タウン「望京」地区では「中国人の大家が韓国人に借家から出ていけと言った」といったうわさが流れた。北京の中心部では「反THAAD、反韓国」を主張する電光表示を掲げた車が走る姿が目撃された。
韓国産業界の被害も拡大している。営業停止処分を受けたロッテマートの店舗は全体の40%(39カ所)に増えた。航空業界も直撃を受けた。チェジュ航空は最近、中国の交通運輸省に提出した仁川-オルドス線、仁川-汕頭(スワトウ)線の開設申請を却下された。韓国の航空会社は夏季(3-10月)を控え、定期便の運航認可を中国政府に行っているが、まだ回答を得られていない。また、中国のゲーム業者の韓国支社関係者は「中国当局が韓国製ゲーム関連事業を当面中止するよう口頭で指示した」と明かした。
微博には「中国のハッカーが韓国とロッテグループへの攻撃を正式に宣言した」という情報と共にハッカーを自称するグループが今月3日、中国最大の動画サイト「優酷(YOUKU)」に投稿した動画が広がった。「中国のハッカー」を自称するグループが「中国のハッカーよ、韓国を攻撃せよ」と呼びかける内容だ。