THAAD:中国の対韓報復被害、中日尖閣紛争を上回る可能性も

中国から韓国への航空便予約が急減

 終末高高度防衛ミサイル(THAAD)配備問題で、中国の報復措置が強まり、韓国産業界への被害も拡大している。

 中国人団体・個人観光客の旅行キャンセルが相次ぎ、航空業界の予約率が急激に低下している。大韓航空は7日から4月30日までの中国発韓国行きの航空便予約率が前年同期に比べ10ポイント低下したことを明らかにした。同社関係者は「予約率の推移をさらに見守る必要があるが、中・小型の機体投入や減便を検討している」と述べた。

 アシアナ航空でも2月15日から3月末までの中国発韓国行き路線の予約率が前年同期を9ポイント下回った。韓中路線が売上高全体の21%を占めたアシアナ航空は、今後大きな打撃が避けられない見通しだ。航空業界関係者は「中国国家観光局が韓国行き旅行商品の販売中断時期を3月15日としていることから、今後予約キャンセルはさらに増える可能性がある」と予想した。

 THAAD問題が経済に与える衝撃も懸念されている。中国の報復措置が強まれば、韓国の経済成長率が最大1ポイント以上低下するとの分析も示された。IBK経済研究所は、中国国内の反韓感情に関する報告書で、中国の報復によって輸出、観光、コンテンツ産業が打撃を受け、韓国の経済成長率が0.59-1.07%低下する可能性があると予想した。経済損失は最大で150億ドルに上るとした。

 チャン・ウエ研究委員は「関連産業に直接与える影響だけでなく、雇用創出、新規投資、関連産業の付加価値などの減少が避けられない」とした上で、韓国は国内総生産(GDP)に占める対中輸出の割合が26.0%で日本(17.5%)よりも高いため、中国と日本による尖閣諸島紛争のケースよりも被害が拡大する可能性があるとした。

チェ・ソンジン記者
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