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プレスリリース

2017年3月 9日
一般社団法人日本音楽著作権協会
(JASRAC)

ブライダルコンテンツの製作事業者らに対し
著作権侵害行為の差止めと損害賠償を請求

JASRACは、本日、ブライダルコンテンツ(プロフィールビデオ(※1)、エンドロール(※2)及び記録用ビデオ(※3)をいいます。以下同じ。)を製作している事業者である株式会社ビデオソニック(さいたま市)とその代表者に対し、同社が製作するブライダルコンテンツへの管理著作物(当協会が著作権を管理する音楽著作物をいいます。以下同じ。)の使用禁止と損害賠償を請求する本案訴訟を東京地方裁判所に提起しました。
ブライダルコンテンツの製作事業者を被告とした本案訴訟は、今回が初めてです。

同社は、全国20か所に営業所を置き、婚礼施設から年間9,000を超えるブライダルコンテンツの製作委託を受け、当協会の許諾を得る必要があることを認識しているにもかかわらず、長期にわたり大規模な無断複製行為を行っています。

JASRACは、ブライダルコンテンツに係る著作権の管理について、2013年12月に「ブライダル演出記録用録音・録画物に関する運用基準」を制定し、この分野の適正な音楽利用が促進されるよう努めています。現在では、ブライダル業界内において許諾の必要性が広く認知されており、ブライダルコンテンツを製作する多くの事業者との間で契約を締結し、使用料をお支払いいただいています。

しかしながら、同社は、新郎新婦の方々から、婚礼施設を通じて、ブライダルコンテンツの製作に係る対価を受けているにもかかわらず、当協会からの請求に応じていただけないことから、管理の公平性を期すため、やむを得ず、今回の訴訟の提起に至りました。


以下、Q&A形式で本件に関する補足説明をいたします。

Q1 ブライダルコンテンツを製作する際に音楽を録音する場合は、どのような方法で許諾を得るのでしょうか?

A1 ブライダルコンテンツに音楽著作物を録音利用する場合、「著作権」と「著作隣接権」のそれぞれの権利に関する利用許諾手続を行う必要があります。
そのため、「著作権」はJASRAC等に、「著作隣接権」はレコード会社等に利用許諾を得る必要があります。
ただし、製作事業者によるブライダルコンテンツへの楽曲利用については、一般社団法人音楽特定利用促進機構(ISUM ※4) に利用許諾手続の事務代行を委託することができ、委託した場合は、「著作権」と「著作隣接権」の許諾を当協会及び一般社団法人日本レコード協会から同時に得ることが可能となっています。

Q2 結婚式は私的に行われるものですが、なぜ、そこで上映される録音・録画物の製作について使用料の支払いが必要なのでしょうか?

A2 著作権法第30条では、「個人的に又は家庭内その他これに準ずる限られた範囲内において使用する」目的であれば、それを使用する者が手続なく複製できると定められています(私的使用のための複製)。
しかしながら、本件は、ブライダルコンテンツの製作事業者が複製行為者であることから、「私的使用のための複製」には該当しません。そのため、管理著作物を利用する場合は、利用許諾申込と使用料の支払いが必要となります。

Q3 婚礼施設がJASRACと契約し、既に著作権料を支払っているのではないでしょうか?

A3 婚礼施設にお支払いいただいているのは、披露宴会場等でのBGMの再生、ビデオ上映、カラオケ伴奏による歌唱、生演奏等の演奏・上映に関する使用料です。
しかしながら、今回の訴えは、複製権の侵害に基づくものです。披露宴で流すためのCD、上映用のDVDや披露宴の様子を撮影したDVDを製作する際に、当協会の管理著作物を録音する場合は、別途、複製権の許諾に係る使用料の支払いが必要となります。

Q4 今回は、複製行為者である製作事業者に対する訴えとなっていますが、婚礼施設に責任はないのでしょうか?

A4 婚礼施設による製作事業者の複製行為への協力や、複製行為による経済的な利益の獲得があるなど、その複製行為に深く関与している場合には、婚礼施設側も法的な責任を負うことがあると考えられます。

※1

披露宴で上映するため、新郎新婦の生い立ちから結婚に至るまでの写真を楽曲とともにスライド方式でまとめたDVD等
※2

結婚式及び披露宴の模様をその前後を含めて動画で撮影し、楽曲とともに編集したDVD等。
披露宴の終了時において、招待客が退場する際に上映される。
※3 結婚式及び披露宴の様子を基本的に全て録画し、編集したDVD等

※4

ブライダル業界での音楽利用の適法化を促進する目的で2013年10月に設立された団体。
当協会を含む著作権管理事業者及び一般社団法人日本レコード協会に対して利用報告等の事務代行を行っている。





以上


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