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維新市議ら反対で大阪市が緑地化撤回 森友運営幼稚園が利用の公園 議会で言及
森友学園問題更新大阪市淀川区の学校法人森友学園が運営する塚本幼稚園(同区)に隣接する公園を「幼稚園が独占的に球技に使用している」とする地域住民の声があり、市が公園内の緑地化を計画したところ、大阪維新の会の市議2人と同法人の籠池泰典理事長が反対し、市が計画を撤回していたことが9日、分かった。
市の記録や地域住民などによると、塚本幼稚園は平成20年以降、隣接する新北野公園の西側スペースで体育の授業の一環として、市への届出なしに園児にラグビーやサッカーなどの球技をさせていた。市は条例で、公園で他人に危害を及ぼす恐れがあるボール遊びを禁じ、催しの際には事前に市に届け出るよう規定している。
地域住民は「公園は地域全体の共有物だ」と幼稚園に抗議。対策として22年4月、公園西側の中央部に花壇の整備し、東側に植樹の緑地化を行うことで大々的な球技ができないようにする措置を市に要望した。
市はいったん緑地化を決定したが、着工直前の24年2月、維新市議だった村上栄二氏(39)=東淀川区選出=と市位謙太市議(35)=淀川区選出=が籠池理事長とともに緑地化に反対し、工事を中止するよう求めた。
最終的に市は「緑地化は住民の総意ではなかった」として計画を撤回し、東側に植樹のみを実施。その後、住民の総意が得られたとして、今月中に東側に花壇を設ける方針を決めた。
市建設局の記録では、市が工事について地元に周知したところ幼稚園から中止の要望があり、翌日に十三公園事務所の担当者が幼稚園へ説明に出向いた。籠池理事長と面談していたところ、村上氏と市位氏が途中から同席し、計画反対を主張したという。
9日に開かれた市議会常任委員会では、自民党議員がこうした経緯について「地元は緑地化を望んでいるのに、幼稚園だけの反対で花壇の設置に5年もかかった。地域と公園のトラブルを把握していなかった市に問題がある」と指摘。「議員の関与があったのか」との問いに市の担当者は「複数の維新市議から要望があった」と答弁した。
村上氏は24年2月のブログに「塚本幼稚園は保守が強く、地域の町会長と何度も揉めている」「(市は)完全に嫌がらせに加担してるやんけ」「強行したら絶対にお前ら潰すからな」などと市側を非難する内容を書き込んでいた。
産経新聞は村上氏に取材を申し入れたが、返答はなかった。市位氏は「自分の選挙区なので村上氏に同席しただけ」と答えた。籠池理事長は「市には届け出を出しており、無断で使っていたわけではない。緑地化したら子供たちが遊べなくなってしまう」と話した。