全国に高級ホテルなどを展開する「星野リゾート」が大阪・通天閣のお膝元、新今宮にリゾートホテルを建設することがわかりました。大阪の中でもひときわディープなスポット、そこに狙いを定めた理由を歩いて探ってきました。
大阪市浪速区。あいりん地区が広がるエリアから大阪環状線の線路を越えた先に、三角形の巨大な空き地が広がっています。
「大阪環状線のガード下です。立ち飲み屋やうどん店などが並んでいます。壁には落書きがあり、少し荒れた雰囲気ですが、このガード下を抜けた先に、広大な空き地が広がっています。ここに、あの星野リゾートができるということです」(神崎智大記者リポート)
通天閣のお膝元、新今宮駅のすぐ北側にある約4200坪の市有地。長年空き地となっていましたが、市がホテルの誘致を目指して公募したところ、唯一手をあげたのが星野リゾートでした。
全国の景勝地などに、その土地の風情を生かした高級旅館などを展開する星野リゾート。最近は東京のど真ん中に、高層ビルの旅館を建てるなど新たな展開を進めていますが、その星野リゾートが、この新今宮に約600室を備える20階建てホテルを建設するというのです。あべのハルカスを望む客室は、すべて30平方メートル以上。ゆったりと滞在できるリゾートホテルにするというのですが…
「外国の方がインタビューで『ここは日本ではない』と言ってた。うまいこといくんかね?」(近所に住む人)
あらためて、現地の周辺を歩いてみることにしました。駅からほぼ直結と言っていい交通の便には優れた場所。かつては化粧品会社中山太陽堂の工場がありましたが、1983年に大阪市が買い取って以降は開発が進まず、空き地の状態が続いていました。周りの路地には小さな工場やアパートなどが密集しています。
「こちらのアパート、保証人不要で日払い可能となっています。実質的には宿泊施設になっているんでしょうか」(神崎智大記者リポート)
周辺には1000円前後で泊まれるという宿泊施設が多数あり、外国人観光客でにぎわっていました。大阪でもとりわけディープな地域ですが、街の雰囲気は少しずつ変わってきたようです。
「少し落ち着いてきた感じ。ごちゃごちゃしてたけどな」(近所に住む人)
Q.観光客をよく見かける?
「多いよ。日本語じゃないから、なに喋ってるかわからへん」
わずか7年で破たんした都市型遊園地、フェスティバルゲートの跡地には外国人観光客に人気のドンキホーテが。今回の土地のすぐ北側でも観光客向けの大型ホテルが建設されています。
星野リゾートへの売却価格は約18億円。坪単価で計算すると地価が急騰している道頓堀付近の70分の1以下で、たいそうお得な買い物とも言えそうです。大阪市に提出された事業計画によると、宿泊料金は1室(2人)2万円程度を想定しているとみられ、高級リゾートというよりは近隣の相場に合わせた現実的なプランを練っているようです。
Q.ここにホテルできるのは?
「いいと思います、もったいなかったもんね」(女性)
Q.街の雰囲気も変わりそう?
「変わっていくのかな。大阪の古い街並みも変わっていくのかなと思います」(女性)
完成予定は2021年度。あの星野リゾートが目をつけたことが、ディープな大阪が変わっていくきっかけとなるかもしれません。
毎日放送
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