NHKニュース7 2017.03.06

北朝鮮が、ミサイルを4発発射しました。
このうち3発が、日本の排他的経済水域に落下したと見られています。
そしてマレーシアでは。
国外退去を求められた北朝鮮のカン・チョル大使。
まもなく、経由地の北京に向けて出発するものと見られます。
こんばんは。
ニュース7です。
まず、北朝鮮の動きです。
キム・ジョンナム氏が殺害された事件を巡って、マレーシア政府が国外への退去を求めた北朝鮮のカン・チョル大使が、1時間余り前に、クアラルンプール国際空港に到着しました。
期限ぎりぎりのタイミングでの出国となりそうです。
そしてけさ、北朝鮮は、弾道ミサイル4発を発射。
このうち3発が、日本海の日本の排他的経済水域の中に落下したと推定されています。
安倍総理大臣は、北朝鮮が新たな脅威となったことを明確に示すものだと述べました。
総理大臣官邸では。
慌ただしい動きが。
参議院予算委員会は、政府がNSC・国家安全保障会議の閣僚会合を開くため、午前10時半前にいったん休憩に入ります。
その閣僚会合では、情報収集と警戒監視などに万全を期すことを確認しました。
防衛省によりますと、弾道ミサイル4発が発射されたのは、午前7時34分ごろ。
北朝鮮西岸のトンチャンリ付近から、東に向けてほぼ同時に撃ち出されました。
いずれもおよそ1000キロ飛んで、秋田県の男鹿半島の西、およそ300キロから350キロの日本海に落下し、3発が日本の排他的経済水域の中に落下したと推定されるということです。
その現場の海域では。
自衛隊が、航空機による捜索を行っています。
防衛省関係者によりますと、ミサイルが落下したと推定される4か所のうち、最も北側となる日本の排他的経済水域の外側の海域で、筒状の物体が見つかったということです。
防衛省は、ミサイルの一部の可能性もあると見て、回収できないか検討するとともに、撮影した画像などから詳しく調べることにしています。
北朝鮮は去年、合わせて20発余りの弾道ミサイルを発射していますが、政府関係者によりますと、発射の兆候を事前に把握することがより困難な、移動式の発射台や、潜水艦からの発射を繰り返していると見られます。
今回の発射にも、移動式の発射台が使われた可能性があるということです。
安倍総理大臣は参議院予算委員会で。
岸田外務大臣はきょう午前、アメリカのティラーソン国務長官、韓国のユン・ビョンセ外相とそれぞれ電話で会談しました。
アメリカ国務省は、日本や韓国などの防衛に対するアメリカの責務は揺るがない。
高まる脅威に対して、あらゆる能力を行使する準備ができているという声明を発表。
韓国外務省は。
中国外務省は。
その一方で、アメリカと韓国による今月1日からの合同軍事演習が、発射の背景にあるという認識を示し、北朝鮮を過度に刺激しないよう促しました。
では、国際部の高野デスクに聞きます。
高野さん、まず北朝鮮、なぜこのタイミングで弾道ミサイルを発射したと考えられるんでしょうか。
考えられるのは3つあると思います。
1つ目は今月1日から始まった米韓合同軍事演習への対抗措置という側面です。
米韓合同軍事演習ですね。
1年前の演習期間中も、さまざまな射程の弾道ミサイルを合わせて8発発射しました。
今回も北朝鮮は、超強硬な対応措置も辞さないと反発していただけに、北朝鮮からすれば、織り込み済みの動きといえます。
2つ目なんですが、こちら。
ことし1月に発足しましたトランプ政権の出方を見極めたいという思惑があります。
先月12日、日米首脳がまさに会っているタイミングで、新型の中距離弾道ミサイルを発射しました。
今回は来週、ティラーソン国務長官が、日韓などを訪問するのを前に発射した形です。
日本の排他的経済水域にねらいを定める形で打ち込むことで、日米韓3か国の連携をけん制するねらいがありそうです。
そして3つ目。
キム・ジョンウン体制を固めるプロセスが、今もなお続いているという側面があると思います。
叔父のチャン・ソンテク氏が4年前に粛清されました。
そのチャン氏が後ろ盾だった母親違いの兄、キム・ジョンナム氏も先月13日、マレーシアで殺害されました。
北朝鮮の国家ぐるみの犯行という見方が強まっていますね。
経済で目立った成果を出せない中で、ミサイル発射を軍事的な成果と誇ることで、キム委員長のさらなる権威づけ、権力固めを加速させたいというねらいがうかがえます。
安倍総理大臣は、北朝鮮が新たな脅威となったことを明確に示すものだと述べていますけれども、今回の発射、これまでと比べて、どのようにその脅威が増していると考えられるんでしょうか。
詳しい分析、まだ続いている段階で、発射されたミサイルの種類などははっきりしていませんが、現時点で分かっている範囲で注目すべきは落下地点だと思いますね。
ほぼ同時に4発発射し、このうちの3発を日本の排他的経済水域の一定の範囲に集中して着弾させています。
狙いを定めて落下させたと見るべきでして、ミサイル技術の向上ぶりがうかがえます。
それから発射地点がトンチャンリだったのも異例ですね。
トンチャンリ、こちらですね。
北西部にありますが、このトンチャンリといえば、人工衛星の打ち上げと称して、事実上の長距離弾道ミサイルを大型の固定式発射台を使って、繰り返し発射してきた場所です。
しかし今回は、4発ほぼ同時で兆候をつかみにくい、移動式発射台が使われた可能性が高いんですね。
どこからでも正確に撃てると、奇襲能力の高さを重ねてアピールしたわけで、関係国は迎撃態勢のさらなる強化を迫られそうです。
高野デスクにはまた後ほど聞きたいと思います。
今の解説でも触れました、北朝鮮のキム・ジョンナム氏が殺害された事件の最新情報です。
事件を巡って、マレーシア政府から国外退去を求められた北朝鮮のカン・チョル大使。
きょう午後、大使館を出て空港に到着し、まもなく北朝鮮への経由地となる北京に向けて出発するものと見られます。
クアラルンプールの北朝鮮大使館。
午後になって、相次いで車が出発しました。
大使館の職員は、空港に着くと、大量の荷物を運び込みました。
そして、日本時間の午後5時前。
今、カン・チョル大使が出てきました。
カン・チョル大使が、大使館から姿を見せました。
カン大使を乗せた車、今、来ました。
空港へと向かいます。
およそ40分後。
空港に到着すると、報道陣に取り囲まれます。
カン大使は、退去の期限とされた日本時間午後7時までに出国手続きを終え、北朝鮮への経由地となる北京に向けて、まもなく出発するものと見られます。
では、クアラルンプールにある北朝鮮大使館の前から中継です。
こちらでは、100人以上の報道陣が詰めかける中、今から2時間余り前の日本時間午後5時前に、カン大使は玄関から姿を現しました。
大使は職員らと短くあいさつを交わしたあと、質問を投げかける報道陣のほうを、厳しい表情でじっと見つめ、無言で車に乗り込みました。
その表情は、大使のいらだちを象徴しているようにも見えました。
大使を乗せた車が出ていく際には、コメントを求めて押し寄せる報道陣を、警察が大声で制するなど、騒然とした雰囲気に包まれました。
再び国際部の高野デスクです。
高野さん、この北朝鮮のカン大使、期限ぎりぎりのタイミングでの出国となりそうですけれども、そのねらいについてはどのように見ますか。
きのう出国することもできたんですけれども、期限ぎりぎりの出国という形を取ることで、マレーシア側への反発を改めて示したことも考えられます。
カン・チョル大使はマレーシアを離れるわけですけれども、大使館には、ピョンヤンから先月送り込まれた北朝鮮外務省の幹部がおりまして、その陣頭指揮の下で、マレーシア政府との間で、遺体の引き渡しなどを巡って交渉を続けるものと見られます。
こうして各国に対して、揺さぶりをかけている北朝鮮なわけですけれども、その北朝鮮に対して、国際社会はこれからどう臨んでいくべきなんでしょうか。
あくまで国際的な包囲網というのが大事だと思いますね。
具体的には、日米韓3か国の緊密な連携の下で、北朝鮮の後ろ盾であります中国の協力をしっかり取り付けることが、これまで以上に求められると思います。
北朝鮮なんですけれども、こちらですね。
来月は重要な節目を相次いで迎えるんですね。
4月11日、キム・ジョンウン氏が最高指導者になって5年。
15日、キム・イルソン主席の生誕105年、そして25日には、北朝鮮軍の創設85年、北朝鮮は0と5がつく記念日を重視しているんですね。
およそ2か月間続く米韓合同軍事演習と重なるタイミングでもあります。
これに向けまして北朝鮮は、軍事的な挑発を繰り返す可能性が高いんです。
来週からアメリカのティラーソン国務長官が日本や韓国、それから中国を歴訪する予定です。
日米韓が北朝鮮に対し一致したメッセージを打ち出すとともに、中国が国連安全保障理事会の制裁決議をしっかり履行していくよう、強く働きかけていく必要があると思います。
ここまで北朝鮮を巡る動きをお伝えしました。
次です。
乗っていたのは山岳救助のスペシャリストたちでした。
飛行時間5100時間、ヘリコプターを知り尽くしたベテランパイロット。
山岳救助を志願してチームに加わった消防隊員は、子ぼんのうな優しい父親でもありました。
そして今月末で任務を終えるはずだった隊員もいました。
長野県松本市の山に、きのう墜落した県の防災ヘリコプター。
乗っていた9人全員の死亡が確認されました。
そしてこの事故で、隊員のヘルメットに付けられたカメラで、離陸から墜落の瞬間までが記録されていたことが分かりました。
きょうも続けられた救助活動。
周辺の県の防災ヘリコプターも、支援に当たりました。
きょう新たに、機体の中から6人が見つかりました。
きのう見つかった3人と合わせて乗っていた9人全員の死亡と身元が確認されました。
警察によりますと、9人はいずれも、長野県消防防災航空隊に所属していました。
37歳の消防隊員、高嶋典俊さん。
山岳救助を担当したいと志願し、去年から消防防災航空隊に派遣されていました。
近所の人は、こう話します。
瀧澤忠宏さん。
東日本大震災では現地に派遣され、行方不明者の捜索や、救助活動に当たったということです。
岩田正滋さんは、飛行時間5100時間のベテランパイロットで、今回のヘリが導入された平成9年から操縦に当たっていました。
防災ヘリは、山岳遭難の救助訓練のため、きのう午後1時半過ぎに松本空港を離陸しました。
向かったのは、空港からおよそ17キロ東、高ボッチ高原にある臨時のヘリポートです。
20分ほどで到着するはずでしたが、防災ヘリから連絡は入りません。
ヘリは、高ボッチ高原から4キロほど北の鉢伏山の斜面に墜落していました。
国土交通省などによりますと、機体の異常やトラブルを知らせる無線通信はなかったということです。
夕方、県の消防防災航空センターが記者会見しました。
機内で撮影された映像を回収したと明らかにしました。
ヘリコプターの右側後部付近にいた隊員のヘルメットに装着された小型カメラで撮影され、離陸から墜落の瞬間までが記録されているということです。
センターは、映像の内容についてはコメントできないとしていますが、きょうにも警察と国の運輸安全委員会に提出するということです。
墜落したヘリと同じ機種は、国内では各地の自治体などが合わせて51機保有しています。
こちらは、和歌山県の防災ヘリです。
最大で15人が乗ることができ、ドアが大きく開くため、救助活動に適しているといいます。
夕方、国の運輸安全委員会の航空事故調査官が、松本空港に到着しました。
あす以降の本格的な調査で、どこまで原因を解明できるかが焦点となります。
次は、大阪の学校法人森友学園を巡る問題です。
この問題では、国有地が鑑定価格より低く売却されたこと、そして、学校法人の計画どおりに小学校の開校が認可されるのか、この2つが議論になっています。
きょうの動きです。
国会では、民進党などによる国有地の売却に関する質問が続いています。
そして安倍総理大臣は、ごみの撤去費用およそ8億2000万円は、国土交通省が一般的な公共事業で使用している積算基準を踏まえ、算定したものだとしたうえで、きちんと法令にのっとって手続きし、その価格が合理的であれば問題ない。
会計検査院は独立した機関であり、しっかりと検査すると述べました。
またきょうの予算委員会では、国会法の規定に基づいて、会計検査院に対し、国有地売却の経緯や、売却価格の算定手続きが適正だったかどうかなどを調査し、報告するよう求めることを全会一致で議決しました。
一方、大阪では森友学園が来月の開校を目指して小学校の建設を進めています。
大阪府は、安定的な学校運営ができるか不安があるなどとして、認可の延期も含めて検討しています。
また森友学園が、認可を議論している審議会に対し、愛知県内の中学校への推薦入学枠の提供で合意していると、事実と異なる報告をした疑いなども指摘されています。
きょう、大阪府の松井知事は、今月中の認可は難しいという認識を示しました。
これに関連して、財務省の佐川理財局長は、認可されなかった場合には、売却価格と同じ1億3200万円で買い戻すことになり、ごみの撤去工事によって土地の価格が上がったとしても、買い戻す価格は変わらないと説明しました。
きょうはご覧のようなニュースをお伝えしています。
続いては。
東京電力福島第一原発の事故による避難指示が、来月1日に大部分で解除される福島県富岡町で、避難先に移っていた町の主要な部署が、6年ぶりに元の庁舎に戻りました。
町は、仮の役場を郡山市に置いていますが、きょうは避難指示の解除に備え、総務課など9つの部署が、元の庁舎で仕事を再開しました。
中国政府は、ことしの経済成長率の目標を6.5%前後とし、去年より僅かな引き下げにとどめました。
これについて、中国の経済政策を統括する国家発展改革委員会の何立峰主任は、きょうの記者会見で次のように述べ、構造改革で企業のリストラを進める中、雇用の安定に特に配慮していることを明らかにしました。
豊洲市場の地下水モニタリング調査で、高濃度の有害物質が検出された9回目の調査が、過去8回とは違う手順で行われていた問題。
都は、スケジュールを優先し、調査にかける時間を短縮したと説明していますが、小池知事は、調査の信頼性の確保に全力を挙げる考えを示しました。
大相撲の新横綱・稀勢の里、きょうの稽古で立ち合いで頭をぶつけた際に、左の眉の横を11針縫うけがを負いました。
稀勢の里は田子ノ浦部屋の宿舎での稽古で、平幕の嘉風と申し合いを行いました。
この一番のあとでした。
立ち合いで互いの頭がぶつかり、左の眉の横を切り、出血。
稀勢の里はここで申し合いを切り上げ、近くの病院に向かいました。
師匠の田子ノ浦親方によりますと、11針縫ったということですが、あす以降の稽古に支障はないことを強調しました。
野球のWBC・ワールドベースボールクラシック。
あす、1次ラウンドの初戦を迎える日本が、東京ドームで調整を行いました。
2大会ぶりの世界一奪還を目指す日本。
初戦の先発は石川投手です。
昨シーズン、最優秀防御率のタイトルを獲得しています。
あすは序盤の失点を防いで、試合の流れを作ることが期待されます。
大会前の実戦ではつながりがいまひとつだった打線。
練習では4番の筒香選手が大きな打球を飛ばし、状態は上向きな様子でした。
初戦で対戦するキューバ。
オリンピックで3回金メダルを獲得していますが、WBCは準優勝が最高です。
打線の中心は、デスパイネ選手。
ロッテで3年間プレーし、日本の野球を熟知しています。
気象情報は福岡さんです。
こんばんは。
あすからは冬に逆戻りです。
日本海側では雪が降って、北海道東部も朝にかけては雪が降る予想です。
そして風も強く吹くでしょう。
特に午後は北陸周辺で、雪や風が強まるおそれがあります。
太平洋側も晴れても風が冷たく感じられそうです。
そして雪が降るということは、寒気も強まります。
こちらをご覧ください。
この時期の寒気は平年ですと、東北辺りです。
きょうは平年よりも北上していたんですが、あすにかけては南下します。
平年のラインよりも南に下がって、西日本まで広く覆われるんですね。
ということは、西日本や東日本では、これ、平年よりも寒くなるということなんですね。
そしてその状態が水曜日にかけても続いて、寒さも続く予想です。
どれくらい寒くなるんでしょうか?
水曜日にかけて、東京や大阪などでは10度前後と、冬のような寒さとなりそうです。
冷たい北風も加わって、この数字よりも空気は冷たく感じられそうです。
お願いしま〜す。
あっ!2017/03/06(月) 19:00〜19:30
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北朝鮮が弾道ミサイル4発発射・日本政府は

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夜7時、これさえ見れば1日が分かる。今日の日本・世界の今を、あなたのもとへ 【キャスター】武田真一,【サブキャスター】松村正代,【気象キャスター】福岡良子
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