【3月9日 AFP】(更新)中米グアテマラの首都グアテマラ市(Guatemala City)近郊にある子どもの保護施設で火災が起き、8日午後までに10代の少女少なくとも20人が死亡した。政府が運営するこの施設は定員の倍近くの子どもを収容。劣悪な環境や職員による性的虐待の疑いがかねて問題視され、火災は入所者による暴動の最中に起きたという。

 死亡したのは14歳から17歳の少女。大半はやけどが原因とみられる。政府当局者は先に「現時点で少女19人の死亡が確認されている」と記者団に語っていたが、病院関係者によると新たに14歳の少女がやけどで亡くなった。

 施設はグアテマラ市から東へ10キロのサンホセピヌーラ(San Jose Pinula)村にあり、2006年に建てられた。定員400人のほぼ倍の人を収容し、過密状態になっていた。

 火災は施設内での暴動の最中に発生したとみられている。現地メディアによると、入所者は7日から8日の夜にかけて職員による性的虐待、劣悪な食事や環境に抗議して暴れ回っていたという。

 子どもの権利の擁護に関わっている検事は「食事が出されている時に10代の子どもの一部がマットレスに火を付け、これが火災の原因になった」と述べた。

 死者のほかに数十人が重いやけどを負い、グアテマラ市内の複数の病院で治療を受けている。うち一つの病院は、収容した負傷者24人のうち6人が重体と明らかにしている。

 この施設は、ドメスティックバイオレンス(DV)の被害者や元路上生活者の18歳未満の子どもを収容している。しかし、虐待が行われているとの訴えが後を絶たず、内部での劣悪な環境に耐えかねて過去1年だけで数十人の子どもが逃げ出したという。

 今回の火災を受け、政府は3日間の服喪を宣言した。(c)AFP/Henry MORALES