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神道の教え

神道について、古人はつぎのように述べています。

人々日用の間にありて、一事として神道あらずと云う事なし。度会延佳 陽復記 巻下 中 

これは生活そのものが神道であるので(特別な教えでなく)日常踏み行う道であるとしたのでしょう。

神道とは、全てが大神様の御業だと、疑念なく大神様にまつろい(大神様を信じる)、
ものごとを固定観念や無理な決め付けなしに柔軟にとらえ、神の仕業である、
森羅万象をすなおな心で正しく見つつ学び、適切な法則性を得られた経験を基に、
大御心を頂き浄明正直で公正無私である明き心を持ちます。

明き心はまことの心ですが、機前と言われる天地開闢の元元本本(混沌の始)に立ち
戻ってやり直し、大神様に見直し、聞き直して頂くことです。
明るくさわやかに、ものごとをあるがままに観て、自分の本音に率直であること、
これは「まとこ」という情熱であり、嘘偽りの無い本心、本音から生じる直情としての
情熱です。
自らの私情(情熱)個性を維持するための権利を放棄することなく公共の為に奉仕して、
この明浄正直の心を中心に、知恵と勇気、決断力、慈悲の心をもちます。
感受性を豊かにし、行動するという信念をもつことです。
忠は自己の私情(情熱)個性を公共の為に活かすことであり、義勇公に殉ずる忠は国を
想う情熱です。
しかし、この情熱を正しい形で実行するには統制という型(教育勅語)が必要ですが
強制されては本質を損ないます。
つまり、各々が自主的に型(教育勅語)を参考にし、基準とすることで調和が保たれ、
秩序が生じるのです。

さらに、各々の人が神勅に従い、皇室を尊重し調和することで、神の末裔たる人が神としての真姿を現し、各々の人が大神様のみこともちとして自分の使命を果たす為に修理固成します。
その上で、神に祈り、大神様に守られていることを知ることにより、人事を尽くし、天壤無窮の皇運を扶翼し奉ることができ、心を傷めることなく、大安心して落ち着いて行動できます。

このことにより個人的にも成功しますが、無理をすることなく、周りと協調しながら、どんな状況でも適切に把握し、機会を掴むことができる柔軟性をもつと、社会に貢献することができ、国を発展させることできます。

そうすると世界中の人が皇室を尊重して発展している日本の姿に感服し、"もののあわれ"や慈しみ、相手の気持ちに感情移入するなどの天皇様の大御心を頂き調和するという日本人の生き方、感じ方に共感するようになり、自らもそれに習って、天皇様の大御心を頂き、明き心の人となるのです。

これにより世界は皇室を尊重して調和するのですが、これは皇室を尊重する理想的調和世界になるということです。
世界は皇室を尊重して調和するというのは、勿論、世界を政治的に支配するということではなく、ただ、世界の人々が皇室を尊重する日本人の生き方、感じ方に共感して、自らも明き心の人となり、善を行うようになるということです。


古人の言葉で表現すると下記のようになります。

①全てが大神様の御業だと、疑念なく大神様にまつろい(大神様を信じる)、
  ものごとを固定観念や無理な決め付けなしに柔軟にとらえ、

何事も神のしわざ、本居宣長、 石上私淑言 

間色、賀茂真淵、知人への書簡 

正直の道を立て、法を必ずとせず、浅井家之、神学教訓抄

人のあるべき限りを、すぎたるしわざ。 本居宣長 直毘霊

うはべ聞きしようにて、心にはきかぬこと知るべし。
から國にもさるものにゆだねて治らざりし世こそ多かりけれ。賀茂真淵 国意考

②神の仕業である、森羅万象をすなおな心で正しく見つつ学び、
 
天地をもちて書籍となし、日月をもちて、その証明とす。吉田兼倶、唯一神道名法要集
 
明らかに見えたる理、本居宣長 くず花・下 

親から子への導く教え、平田 篤胤 神道玄妙論、入学問答

③大御心を頂き浄明正直で公正無私であり、明き心はまことの心ですが、機前と言われる天地開闢の元元本本(混沌の始)に立ち戻ってやり直し、 大神様に見直し、聞き直して頂くことです。


文武天皇即位の詔「明浄直誠之心以而」清明正直心、

皆天皇の御心を心として、本居宣長 玉くしげ

心を傷ましめる事なかれ。御鎮座伝記

私意作為なく本心のままなるを正直といふ。神道初伝口授、伴部安崇 

もののあわれを弁える、見る物聞く事なすわざにふれて情の深く感ずる事 本居宣長、
石上私淑言

己を卑すんずる故に私に落つるなり。吉川推足、神道大意講談

惣じて何事にも大かた御自分の御かしこだての御料簡をば用ひたまはざりし、
これまことの道の正しき御行ひかたなり。本居宣長 玉くしげ

須らく混沌の始を守るべし 渡会家行 類聚神祇本源 

志す所は機前を以て法と為し、行ずる所は清浄を以て先と為す 渡会家行 類聚神祇本源

④この明浄正直の心を中心に、知恵と勇気、決断力、慈悲の心をもちます。
 
此三種につきたる神勅は正く国をたもちますべき道なるべし。鏡は一物をたくはへず。
私の心なくして、万象をてらすに是非善悪のすがた あらはれずということなし。
其すがたにしたがひて感応するを徳とす。これ正直の本源なり。玉は柔和善順を徳とす。
慈悲の本源なり。剣は剛利決断を徳とす。知恵の本源なり。此三徳を翕受ずしては、
天下のおさまらんこと、まことにかたかるべし。神勅あきらかにして、
ことばつづまやかにむねひろし。
あまさへ神器にあらはれ給へり。 北畠親房 神皇正統記
 
⑤忠は自己の私情(情熱)個性を公共の為に活かすことであり、義勇公に殉ずる忠は
 国を想う情熱です。
 
 惣じて何事にも大かた御自分の御かしこだての御料簡をば用ひたまはざりし、
 これまことの道の正しき御行ひかたなり。本居宣長 玉くしげ

 皆天皇の御心を心として、本居宣長 玉くしげ

 「国に悪い者あれば退治するのが祓いぞ。」神代卷講義 山崎闇斎
⑥しかし、この情熱を正しい形で実行するには統制という型(教育勅語)が必要ですが
 強制されては本質を損ないます。
 つまり、各々が自主的に型(教育勅語)を参考にし、基準とすることで調和が保たれ、
 秩序が生じるのです。

 *教育勅語に「又以テ爾祖先ノ遺風ヲ顯彰スルニ足ラン」とあり、
  この「爾祖先ノ遺風」は儒教、仏教を含む日本の伝統倫理のこと。
 又儒を以て治めざれば治まりがたきことあらば、儒を以て治むべし。
 佛にあらではかなはぬことあらば、佛を以て治むべし。是皆、其時の神道なれば也。
 本居宣長 鈴屋答問録
 人の心の、いづれの国のことなることなきは、本のまごゝころこそあれ、からぶみにいへ  るおもむきは、皆かの国人のこちたきさかしら心もて、いつはりかざりたる事のみ
 多ければ、真心にあらず。
 本居宣長 玉勝間
 
⑦これにより、各々の人が神勅に従い、皇室を尊重し調和することで、神の末裔たる人が
 神としての真姿を現し、
 各々の人が大神様のみこともちとして自分の使命を果たす為に修理固成します。
  上の君が神にて坐す間は、臣下庶人も皆神なり。天子御一人の神代には非ず。 
 神道通国弁義 
 
⑧「各々の人が神勅に従い、(日守木(神籬)と磐境の関係のように)皇室を尊重して
調和することで、」神の末裔たる人が神としての真姿を現し、

*日守木の日とは皇祖神の御心であり、明き心です。三種神器の霊力により
 得ることができます。
  さらに、十種神宝が三種神器と本末の関係にあり、
  また、磐境は、ここでは日守木を磐石にする意味で、日守木が日(明き心)を
  守られる天皇様、磐境が、その天皇様を磐石とする臣下にあたります。
  君臣一体の意味です。

天人唯一の徳で人と器に道あり。さるにより,有道の天子は身に道あり、たとへ不徳でも、
掌握すると天子と道と並行はれゆくぞ。これまで天子の伝ぞ。玉木正英 神代巻藻塩草

上有道。則三種霊徳在玉体。上無道。則三種霊徳在於神器焉。雖為無道之君。
伝賜神器即是有徳君也。此神器与玉体合一。無分別故也。 跡部良顕 三種神器極秘伝

上愛下。下惶上。此道及于天下万人。起樹日守木磐境之道。而与天壌不変。
其霊留於日之少宮矣。所謂生死之大事在茲矣。可不仰乎哉。可不慎乎哉。
                                   唯一神道四重奥秘 神籬磐境之伝

皆天皇の御心を心として、中略 天下はめでたく治まりしまり。 本居宣長 玉くしげ

蓋し蒼生安寧、是を以て宝祚窮りなく、宝祚窮りなし是を以て、国体尊厳なり。
藤田東湖、弘道館記述義

⑨各々の人が大神様のみこともちとして自分の使命を果たす為に修理固成します。
 このように人事を尽くすことで天壤無窮の皇運を扶翼し奉るのです。

修理固成 鈴木重胤 世継草

唯、我が身ひとつの活計とのみ患うより、橘守部 侍問雑記


⑩大神様に祈り、大神様に守られていることを知ることにより
 人事を尽くし、天壤無窮の皇運を扶翼し奉ることができ、

そもそも神は、人の国の仏聖人のたぐひにあらねば、世の常におもふ道理をもて
かく思ひはかるべきにあらず。
神の御心はよきもあしきも人の心にてはうかゞ ひがたき事にて、
この天地のうちのあらゆる事は、みなその神の御心より出て神のしたまふ事なれば、
(中略)
天の下の青人くさも只その大御心を心としてなびきしたがひまつる。
これを神の道とはいふ也 本居宣長 石上私淑言 巻三

祈らずとも神は守らん、まして祈れば、陽復記、度会延佳、

なせば成る、なさねば成らず、成る業を成らずと棄つる人のはかなさ 
平田篤胤  気吹舎歌集 

⑪(大神様に祈り、大神様に守られていることを知ることにより心を傷めることなく、(中略 )大安心して落ち着いて行動できます。
このことにより個人的にも成功し、

おのもおのも祖神(おやがみ)を斎祭り、ほどほどにあるべぎ限りの業をして、穏しく楽しく世を渡らふ 本居宣長、玉くしげ

悟れる者は迷を知る。迷を知るが故に鬼神を祭る。
鬼神を祭れば白然道は治まる。道治まる時は他が之に服從する。他が之に服從すれば始めて功を遂ぐる事か出來、從つて名を遂ぐる事が出來るのである。神を祭るものは安く、
神を祭らざるものは危しとは此の事である。 吉田兼倶 神道大意

注:鬼神とはここでは人間の魂、自分自身の心のこと、

⑫無理をすることなく、周りと協調しながら、どんな状況でも適切に把握し、
機会を掴むことができる柔軟性をもつと、

神道とは天地陰陽に従い、天地陰陽を育つる道也。吉川推足、神道大意講談

⑬社会に貢献することができ、国を発展させることできます。

天神と一体の我なり、我、沖津風、辺津風を起こさん。吉川推足、日本書記聞書)

⑭(国を発展させることできます。)そうすると世界中の人が皇室を尊重して
発展している日本の姿に感服し、"もののあわれ"や慈しみ、相手の気持ちに
感情移入するなどの天皇様の大御心を頂き調和するという日本人の生き方、
感じ方に共感するようになり、自らもそれに習って、天皇様の大御心を頂き、
明き心の人となるのです。
これにより世界は皇室を尊重して調和するのですが、これは皇室を尊重する
理想的調和世界になることです。

蓋し蒼生安寧、是を以て宝祚窮りなく、宝祚窮りなし是を以て、国体尊厳なり。
国体尊厳なり是を以て、蛮夷・戎狄率服す。藤田東湖、弘道館記述義

神道の教義としては下記の神道本局(神道大教院)がまとまったものらしいです。
教義 
しかし、現在の神社界では伊勢の神宮を本宗としており。
日本書記にあるとおり、天照大御神が中心です。
尚、神道大教院の主神は先天的なものであり、その点が異なっています。

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