『いまさら翼といわれても』は、『氷菓』から始まる「古典部シリーズ」の第6弾である。 神山市が主催する合唱祭の本番前、ソロパートを任されている千反田えるが行方不明になってしまった。 夏休み前のえるの様子、伊原摩耶花と福部里志の調査と証言、課題曲…
地方都市で連続爆破事件が発生した。 証拠がほとんどない中で、警察は何とか犯人を突き止めることに成功する。 刑事の茶屋を始めとして、警察が犯人のアジトを急襲すると、そこでは何故か犯人ともう一人の男がもみ合いをしていた。
冥王星の彼方から”巨人たちの星”のガニメアンの通信が再び届きはじめた。 地球を知っているガニメアンとは接触していないにもかかわらず、相手は地球人の言葉のみならず、データ伝送コードを知りつくしている。
聖職者になる夢を志す青年コルは、恩人のロレンスが営む湯屋「狼と香辛料亭」を旅立つ。 ウィンフィール王国の王子に誘われ、教会の不正を正す手伝いをするためである。 そんなコルの荷物には、狼の耳と尻尾を有した美しい娘ミューリが潜んでいた。
木星最大の衛星ガニメデで発見された2500万年前の宇宙船。 その正体をつきとめるべく総力をあげて調査中の木星探査隊に向かって、宇宙の一角から未確認物体が急速に接近してきた。 隊員たちが緊張して見守るうち、ほんの5マイル先まで近づいたそれは、小型の…
「お前には夢があるのか? オレにはある」 研究者の道をあきらめ、家業の町工場・佃製作所を継いだ佃航平は、製品開発で業績を伸ばしていた。 そんなある日、商売敵の大手メーカーから理不尽な特許侵害で訴えられる。
「ぼくの記憶は80分しかもたない」 博士の背広の袖には、そう書かれた古びたメモが留められていた。 記憶力を失った博士にとって、私は常に“新しい”家政婦。
『狼と香辛料』シリーズの完結から、5年。 シリーズ開始から10周年ということで、ラノベの『狼と香辛料』の新刊が発行された。 帰ってきた『狼と香辛料』の新たな物語がこの『狼と香辛料XVIII Spring Log』である。
大学生の望月良夫は愛車のデミオ運転中に、偶然会った女優の荒木翠を目的地へ送り届けることになった。 ちょっとした非日常に浮かれていた良夫。 だが翌日、この翠が事故死してしまう。
八年後に小惑星が衝突し、地球は滅亡する。 そう予告されてから五年が過ぎた頃。 当初は絶望からパニックに陥った世界も、いまや平穏な小康状態にある。
華氏451度。この温度で書物の紙は引火し、そして燃える。 451と刻印されたヘルメットをかぶり、昇火器の炎で隠匿されていた書物を焼き尽くす男たち。 本の所持を禁止された世界で、本を所有しているだけで逮捕されて、その本は燃やされる。
「俺たちは奇跡を起こすんだ」 独自の正義感を持ち、いつも周囲を自分のペースに引き込むが、なぜか憎めない男、陣内。 彼を中心にして起こる不思議な事件の数々が描かれる物語がこの『チルドレン』である。
有人火星探査が開始されて3度目のミッションは、猛烈な砂嵐によりわずか6日目にして中止を余儀なくされた。 だが、不運はそれだけで終わらない。火星を離脱する寸前、折れたアンテナがクルーのマーク・ワトニーを直撃、彼は砂嵐のなかへと姿を消した。
兄は泉水、二つ下の弟は春、優しい父、美しい母。 幸せな家族には、過去に辛い出来事があった。 その記憶を抱えて兄弟が大人になった頃、事件は始まる。 連続放火と、火事を予見するような謎のグラフィティアートの出現。
村の名士ロジャー・アクロイドが刺殺されているのが発見された。 シェパード医師は警察の調査を克明に記録しようとしたが、事件は迷宮入りの様相を呈しはじめる。 犯人は一体誰なのか?その動機とは?
目覚めると、私は闇の中にいた。 交通事故により全身不随のうえ音も視覚も、五感の全てを奪われていたのだ。 残ったのは右腕の皮膚感覚のみ。
家事万能のロボットを手に入れたら...。 世界平和をめざす秘密組織が実権を握ったら...。 安逸と平穏をのぞみながら、退屈な日々にあきたらず、精神と肉体の新たな冒険を求める人間。
ただの会社員だった安藤は、あるとき自分に特殊な能力があることに気がつく。 それは、「自分が念じた言葉を特定の他人に喋らせることができる」というものだった。 この力を持ったことから何気ないものだった日常の”色”が変化していく。
文明の亀裂をこじあけて宇宙時代をのぞいてみたら、人工冬眠の流行で地上は静まりかえり、自殺は信仰にまで昇華し、宇宙植民地では大暴動が惹起している。 人類の未来に待ちぶせる悲喜劇を、皮肉げに笑い、人間の弱さに目を潤ませながら、奇想天外、卓抜なア…
コンビニ強盗に失敗し逃走していた伊藤は、気付くと見知らぬ島にいた。 江戸以来外界から遮断されている“荻島”には、一筋縄ではいかない妙な人間ばかりが住んでいた。 嘘しか言わない画家、「島の法律として」殺人を許された男、人語を操り「未来が見える」…
「ウサギとカメ」「北風と太陽」「アリとキリギリス」など誰もが読んだことのある寓話を星新一が書いたらどうなるのか? それぞれの童話にあった今まで通りの教訓は学べない。 「北風と太陽」では、太陽は上着を脱がすことができないし、「アリとキリギリス…
時は戦国。 忍びの無門は伊賀一の腕を誇るも無類の怠け者。 女房のお国に稼ぎのなさを咎められ、僅かな銭を得ようと仕事に勤しむ。
お金持ちのエヌ氏は、博士が最も優秀と自慢するロボットを買入れた。 オールマイティのなんでもできるロボットだが、時々あばれたり逃げたりととんでもない行動をする。 ひどいロボットを買わされたと怒ったエヌ氏は博士に文句を言ったが、実はこれら行動に…
三百億円の損害を出した株の誤発注事件を追う「猿の話」。 ひきこもりを悪魔祓いで治そうとする男の「私の話」。 別々の人物の視点で話は進んでいき、やがて交差をする二つの物語は、まさかの展開を迎える。
人間のさまざまな妄想を取り扱うエフ博士の妄想銀行は連日大繁盛。 エフ博士は、人間から妄想を取り出してその妄想をなくし、その妄想を必要としている人に渡すことでビジネスをしている。
高校生の由紀夫には父親が四人いる。 ギャンブル好き、女好き、博学卓識、スポーツ万能とそれぞれ個性的な父親たち。 母親は一人だけ。 そんな変わった家庭に生まれた由紀夫は、普通の高校生活を送りながらも様々な事件に巻き込まれてしまう。
人間の生活のすぐ側には、悪魔たちは潜んでいる。 ふとした気まぐれや思いつきによって、人間を残酷な運命へ突きおとす“悪魔”たち。 その存在を、卓抜なアイデアと透明な文体を駆使して描き出した、星新一によるショートショート集がこの『悪魔のいる天国』…
とある天才野球選手の数奇な人生を描いた物語。 今後、野球の世界で数々の記録を打ち立てて、野球界を震撼させる天才バッターが仙醍市で生まれた。 彼は、その野球の天才すぎる才能が故に数々の事件に巻き込まれていったしまう。
奇妙な運命に翻弄される男達を描いた星新一によるショートショート集。 とある男は産業スパイをしようとしたこたがばれて、地球外へと追放された。 別の男は、悪魔を召喚しようと儀式を行ったら、近くに住む女性を召喚してしまった。
不可思議な死には死神の影がある。 社会の中では、人の死を決定する「死神」たちが仕事を行っていた。 彼らは、死をまじかに控えた人物に張り付き、1週間の調査の後にその対象者が死ぬことを「可」か「否」で決定する。
星新一による”SF落語集”。 収録される9つの短編は、すべてがジャンルとしてはSFに属して、”オチ”のある物語となっている。 どの話も作者本人が、”SF落語”としての物語を書いてみようと試みて作られたものとのこと。
泥棒を生業とする男は新たなカモを物色する。 父に自殺された青年は神に憧れる。 女性カウンセラーは不倫相手との再婚を企む。 職を失い家族に見捨てられた男は野良犬を拾う。
とある時代、とある世界で、電話は単なる通話の道具ではなかった。 ある番号を回せば、自分の商売に関連した情報が即座に送られてくる。診察器と組み合わせれば、居ながらにして病院の診察も受けられる。
人間嘘発見器、演説名人、天才スリ、精確無比な体内時計の四人が集まったとき、銀行強盗が始まる。 天才銀行強盗四人組を追う強敵が現れた。 今まで、完璧に銀行強盗の数々をこなして彼らだったが、とある週刊誌記者によってその正体がばれてしまった。
星新一によるショートショートの自選集。 ミステリー、SF、ファンタジー、寓話、童話などのあらゆるジャンルのショートショートから選ばれて、特に初期作品を多数収録している。
人間嘘発見器、演説名人、天才スリ、精確無比な体内時計の四人が集まったとき、銀行強盗が始まる。 伊坂幸太郎による「陽気なギャング」シリーズの小説で『陽気なギャングが地球を回す』に続く第二弾。 それぞれの特技を持つ4人の銀行強盗はそれぞれ4つの不…
やらなくていいことはやらない。やらなければならないことは手短に。 何事にも積極的には関わろうとしない「省エネ主義」の高校生・折木奉太郎。 彼はなりゆきで入部した古典部の好奇心旺盛な千反田えるを始めとする仲間たちと共に日常に潜む不思議な謎を次…
富豪の若き1人娘が不審な事故で死亡して3カ月後、彼女の遊び仲間だった男女4人が、遺族の手で地下シェルターに閉じ込められた。 それは死んだ娘の母親の手によるものだった。 彼女は4人に隠されたとある秘密を暴こうとして、この事件を起こした。
七月七日の午後七時、新進作家、坂井正夫が青酸カリによる服毒死を遂げた。 自殺であったであろうとして処理された。 彼の自殺に疑問を持った中田秋子は、遺書もないこの「死」に疑念を抱き、独自の調査を開始した。
連続少女誘拐事件が発生した。 証拠や容疑者はでてこずに捜査は難航。陣頭指揮する冷徹な捜査一課・佐伯も窮地に立たされていた。 自分も被害者の少女たちを同じくらいの歳の娘がいるので、被害者家族の気持ちは痛いほどにわかる。
38歳・秋。その夜、僕は5年前に交通事故死した父子の乗る不思議なワゴンに拾われた。 永田一雄は今までの歩みに後悔して、人生に絶望していた。 妻は不倫を重ね、息子は中学受験の失敗から家庭内暴力をふるう。
私は殺人鬼を解き放ってしまったのか? 元裁判官・梶間勲の隣家に、二年前に無罪判決を下した男・武内真伍が越してきた。 武内には殺人の容疑がかかっていたが、証拠不十分とのことで勲の手によって「無罪」が言い渡されていたた。
お前たちの中に鬼がいる……。 高校教師の須永彰は薄暗い地下牢のような場所で目覚めた。 なぜこんな場所にいるのか。前後の記憶も曖昧で全くわからない。
人間嘘発見器、演説名人、天才スリ、精確無比な体内時計の四人が集まったとき、銀行強盗が始まる。 それぞれ独自の特技を持つ四人組は、いつものように銀行強盗を計画して実行した。
雪に閉ざされた山荘。 ある夜、そこに集められたUFO研究家、スターウォッチャー、売れっ子女流作家など、一癖も二癖もある人物たち。
末期ガンに冒された男が、病床で綴った手記を遺して生涯を終えた。 そこには8年前、息子をさらわれた時の記憶が克明に記されていた。 男は当時の価値で5000万円分の、75kgの金塊を失った。
熱さ、冷たさ、痛み。人間の感覚まで再現する最強のバーチャルリアリティシステムを用いたミステリー。 ゲームの原作を謎の企業「イプシロン・プロジェクト」に売却した上杉彰彦。
突然の事故で記憶と左眼を失ってしまった女子高生の白木奈深。 臓器移植手術で死者の眼球の提供を受けたのだが、やがてその左眼は様々な映像を脳裏に再生し始める。 それは、かつてこの眼が見てきた風景の「記憶」だった。
神降市では猫が連続で殺される残忍な事件が発生していた。 警察官の父親を持つ小学四年生の芳雄は、「浜田探偵団」のメンバーの一人として、この事件を憂いていた。 そんな最中に、半月前に転向してきた鈴木君は自分は「神様」であり全知全能だと告げる。
人間の人格が入れ替わる奇想天外なミステリー小説。 「人格転移」というSFの要素にミステリーが融合している。 突然の大地震で、ファーストフード店にいた7人の人々は同時に被災をした。