営利目的、業者の2容疑者逮捕…千葉県警
営利目的で特別養子縁組をあっせんしたとして、千葉県警は8日、同県四街道市にあった民間事業者「一般社団法人 赤ちゃんの未来を救う会」(昨年9月に解散)の元代表理事、伊勢田裕(32)と元理事、上谷清志(35)の両容疑者を児童福祉法違反(営利目的あっせん)の疑いで逮捕した。同容疑でのあっせん事業者の逮捕は、全国で初めて。
捜査関係者によると、2人は共謀して昨年4~6月、養親になりたいと望んでいた東京都内の夫婦から、実費以上の費用を受け取り、神奈川県内で生まれた子どもを養子としてあっせんした疑いがもたれている。
国は、あっせん事業者が受け取れる金額を交通費など実費以下に限るとの通知を出している。県警は、救う会が徴収した額が実費より多く、営利目的に当たると判断したとみられる。
救う会は昨年9月、業務内容に関する調査に応じなかったなどとして、県から全国初となる事業停止命令を受けた。県によると、救う会は夫婦に「100万円を支払えば優先順位が上がる」などと持ちかけ、計225万円を受け取っていた。
救う会はいったん子どもを夫婦に引き渡したが、実母が「最終的な意思確認がなかった」などと主張したため、夫婦は子どもを実母に帰した。夫婦は、不適切なあっせんによって養子を引き受けられなかったとして、救う会側に慰謝料などを求めて提訴し、千葉地裁で係争中。【斎藤文太郎、信田真由美】