北朝鮮指導部(=北朝鮮軍部)は3月6日、ミサイル4発を日本海に撃ち込んだ。日本では北朝鮮の、この軍事行動の脅威・意味が語られ、軍事的対応を含む国際的・国内的対応が検討されている。だがそのような議論の中で、北朝鮮の政治行為=軍事行動の論理の根本が考えられたことはあるのだろうか。
他方日本では日米軍事共同訓練が行われている。米海兵隊と陸上自衛隊が北関東から新潟の低地山間部で通信・連絡の連携など、実戦に対応できる軍事訓練を行っている(3月6日から17日)。このような日米共同軍事訓練はいま始まったばかりのことではない。この数十年積み重ねられてきた軍事行動だ。日本各地で長年展開されている。また海上自衛隊は艦船をインド洋・太平洋に送り込んでいる。航空自衛隊はグアム・米国本土で米国空軍と共同で訓練を行っている。このような日本自衛隊の軍事訓練=抑止力維持向上、実働軍事行動はどのような論理に基づいて行われているのか。
まず北朝鮮の論理は、在日米軍の攻撃を想定し防御的に軍事力を増強し、ミサイル発射実験を行い、防衛力の強化・国威発揚を図る、という論理だ。国家を存立させるため、「国家の自衛権」を行使しているという論理だ。
他方日本の論理はどうか。米国の核の傘の下で米国などと協力し世界の侵略的勢力に対抗・対応する、という論理だ。自国防衛・アジア太平洋の平和と安全は我が国の死活的利益であり、そのための防衛政策であり、日米共同軍事訓練であり、沖縄の基地維持増強政策であり、オスプレイ運航であり、対ミサイル防衛構想……とつながっていく。ここでの論理の根本は、わが国の存立維持、国家の自衛権行使、国威維持発揚だ。
日本・北朝鮮、どちらの《論理》も同じだ。少なくともわたくしには何れも同じに思える。日本・北朝鮮の論理のまとめ方が答えを先取りしているから私には両方が同じに見えるのか。否違う。両者は本質的に同じだからだ。本質が同じだから同じに見えるのだ。
馬鹿げたことだ。
われらはどうするのか?
いつもと同じ問いかけで終わる。われらはどうするのか。わたくしはどうするのか。
ただ私は個人的には爽やかだ。なぜなら正面からこの問いかけを出せるからだ。そしてわたくしの答えは出たから。
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