【社説】THAAD装備到着、韓国国内の政争は今こそやめるべきだ

 韓米両軍当局は7日、在韓米軍が、ランチャー2基など高高度防衛ミサイル(THAAD)部隊の装備の一部を韓国に持ち込んだと発表した。レーダー、迎撃ミサイルなどほかの装備も追って到着するという。星州のゴルフ場における敷地工事、環境影響評価などの手続きが終わり次第、それらの装備は慶尚北道星州に展開する。4月末にも可能になるという。韓国大統領選挙が早期に実施されても、新政権の発足前に配備が完了するというわけだ。

 北朝鮮は今月6日、東海(日本海)に向けて4発の中距離弾道ミサイル(IRBM)を発射した。THAADが配備されてもこちらのミサイル攻撃を防ぐことはできない、ということを誇示しようとしたのだろう。実際、韓国国内には「北朝鮮は1000基前後の弾道ミサイルを持っているのに、THAADが何の役に立つのか」という論理でTHAADをあざけり、反対する人もいる。もちろん、THAADだけで北朝鮮のミサイルを全て防ぐことはできない。そんな防衛システムはこの世に存在しない。ただ、少しずつ防御の確率や防衛範囲を大きくしていくのだ。今や韓国は、矛と盾の戦いという長い過程に入ったのであって、その本格的なスタートが、まさしくTHAADの配備なのだ。

 THAADが必要なのは、北朝鮮の「ノドン」クラス以上のミサイルが原因だ。「ノドン」クラスのミサイルを高角度で発射すると、韓国を攻撃することができる。このとき、弾頭の落下スピードは高速になり、従来のPAC3ミサイルでは迎撃が難しい。完全に無防備な状態になるのだ。現在、「ノドン」クラス以上のミサイルを迎撃できる地上配備型のシステムはTHAADしかない。THAADを撤回しようというのは、北朝鮮の核・ミサイルに対する軍事的な備えを「骨が折れるので放棄しよう」ということになる。北朝鮮が最も望んでいることだ。

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