THAAD:韓国野党内にも「早期配備は次期政権にプラス」の声

■中国への警告と北極星2型への備え

 ある韓国政府筋は「中国のダーティープレーをこれ以上放置できないとの考えが韓国国内に形成されたことも、THAAD配備の前倒しにプラスに作用した」と語る。中国は先月28日、韓国国防部とロッテがTHAAD配備用の敷地を提供する契約を締結すると、韓国への観光禁止、韓国商品の不買運動、ロッテマートの営業停止などさまざまな形で報復してきた。別の韓国政府高官は「中国にTHAAD反対の理由を尋ねても、中国は『戦略的バランスが崩れる』としか言わない。その意味を尋ねても同じことしか言ってこない。つまり中国の目的は韓米同盟を破棄させることにあり、それを韓米両国は見抜いている」と指摘した。

 米国のティラーソン国務長官は来週韓国、中国、日本を訪問するが、その前にTHAADが設置されたことにワシントンの外交関係者たちは注目している。トランプ政権発足後、最初に行われる米中外相会談で中国がTHAAD問題を取り上げることが予想される中、この問題で事前にくぎを刺したとも解釈できるからだ。

 上記の韓国国防部関係者は「北朝鮮の核とミサイルの脅威が高度化、加速化していることを考えると、われわれの対応にもスピード感を持たせる必要があった」と語る。まず韓米両国が北朝鮮の新型中距離ミサイル「北極星2型」の登場に緊張を高めているのは事実だ。北極星2型は固体燃料を使用しているため発射に時間がかからず、また道路でしか移動できないタイヤを使う移動式発射台ではなく、どこでも移動し隠れることができる無限軌道型(キャタピラー型)の発射台に装着されている。そのため北極星2型は発射の徴候を事前に探知することがこれまで以上に難しくなっている。

李竜洙(イ・ヨンス)記者
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