<韓国THAAD配備>韓米、THAAD配備を「既成事実化」

<韓国THAAD配備>韓米、THAAD配備を「既成事実化」

2017年03月08日10時06分
[ⓒ 中央日報/中央日報日本語版]
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  真夜中の電撃的な空輸作戦だった。高高度ミサイル防衛(THAAD)体系の韓半島(朝鮮半島)展開は迅速だった。

  THAADのミサイル発射台2台などを載せて米国本土(テキサス州フォートブリス)から15時間ほど飛んできたC-17グローブマスター輸送機1機が6日午後10時、烏山(オサン)基地に到着した。韓国領土にTHAADの一部でも存在するというのはTHAAD配備が「既成事実」であることを意味する。ミサイル発射台などのTHAAD装備は7日未明までに非公開の場所に移された。予想より早いTHAAD奇襲展開の背景には複雑な韓半島周辺情勢が絡んでいる。何よりも「行動で見せる」トランプ大統領式の対北朝鮮戦略が始まったと、外交部の当局者は話している。

  6日(現地時間)にトランプ大統領は韓国の黄教安(ファン・ギョアン)大統領権限代行、安倍晋三首相と電話会談をした。ホワイトハウスは「トランプ大統領は黄代行および安倍首相との電話で、北朝鮮の相次ぐ挑発がぞっとするような結果につながるということを見せるために協力するという立場で一致した」とし「トランプ大統領は米国政府が全方向で軍事力を利用し、北朝鮮の弾道ミサイル脅威を抑制して防御するための能力を向上する措置を取っていることを強調した」と明らかにした。

  これに先立ち北朝鮮は中距離弾道ミサイル(IRBM)「北極星2」を発射(2月12日)した。6日にはスカッドERなど4発の弾道ミサイルを同時に発射した。ちょうど北朝鮮の弾道ミサイル発射直後にTHAADの韓半島配備で応酬する形となった。実際、韓米両国は先月からTHAAD展開を協議してきたという。軍の当局者は「先月、固体燃料と移動型発射台を使用する北の北極星2ミサイルが韓国だけでなく在日米軍基地に対する直接的な脅威と評価され、米国が出した対策がTHAADの韓半島展開だった」と話した。

  韓国の政治日程も早期配備に影響を及ぼしたという分析だ。先月のマティス米国防長官の訪韓当時、韓米両国はTHAAD配備を韓国の新政権発足前に終えるという意見をまとめた。国防部の関係者は「韓国の政治日程とは関係がない」と説明したが、野党は「執権する場合、THAAD配備に変数が発生する状況を封じようとしている」と反発している。THAAD展開は中国に送る米国のメッセージでもある。キム・ヒョンウク国立外交院教授は「結局、中国に『北朝鮮問題を早く解決するべき』というメッセージを伝えるものだ」と分析した。

  韓国外交部の当局者は「THAAD展開について中国に事前通報しなかった」と明らかにした。中国外務省の耿爽報道官はこの日午後の定例記者会見で、「我々は韓国と米国のTHAAD配備に決然と反対する。必要な措置を取り、我々の安全の利益を守る」と述べた。続いて「(THAAD配備により)発生するすべてのことは韓国と米国が責任を負わなければいけない。関連国がTHAAD配備を直ちに中断し、誤った道をさらに進まないことを強く促す」とも話した。

  韓米がTHAAD配備を加速しているが、慶尚北道星州(ソンジュ)ゴルフ場の敷地工事が始まる前に発射台など装備から電撃的に搬入した状況だ。今後搬入する装備は最大探知範囲(長距離探知の場合2000キロ、精密探知の場合600キロ)が中国を可視圏とするAN/TPY-2レーダーと迎撃ミサイル(48発)などだ。中国が反発する表面的な理由はまさにこのレーダーだ。THAADの核心装備が韓国に入る頃には葛藤がさらに深まる可能性がある。
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