高校生の頃、田舎もんはブランドもんを買った買い物袋、ストアバック?っていうの?に運動着とか入れて斜め掛けにするのがステイタスだった。
ブランドもん、っていっても高校生だから当時はヒステリックグラマーとかオリーブ・デ・オリーブとかあとは関西なのでspinsとか、学生にはちょっと高いなくらいの袋が好まれた。
特にオリーブは我々がちょうど大好きで価格もほどほどだけど小遣い程度の高校生には頑張れば手が届く、会いに行けるブランドだった。
めったと買わなかったオリーブだけどたまたま安く売ってたTシャツかなんかを買ったら、その時限定のかわいい袋に入れてもらえた。買ったTシャツより袋がかわいくてやったー明日から学校に持っていこ~!と思ってウキウキ体操着入れて持っていった。
田舎もんのわたし、大慌て。「えっ!!袋ない!!オリーブの袋!!」半泣き。
するとあっ、と後輩が「たぶん、男バレ(男子バレー部)のマネージャーっすよ!さっき見ました!!」と告げ口をくれた。
そしてわたしは「今謝れば許すから、許すうちに謝りに来いって言えや」って真顔で後輩に言った。たかがビニールの袋に。
数時間後、2年生のわたしの教室に男バレのマネージャー二人がきて、泣きながら「ごごごご、ごめんなさぃ、!!ごめんなさぃ、!!」ってビニールのオリーブの袋を持ってきた。
あー、なんてことをしたんだ、と当時その瞬間からくそほど後悔した。すぐ「あっ、いや、いいの!!ごめん!!言い過ぎた!!ごめん!!」って笑って謝った。
ただのビニール袋に対して執着した自分の情けなさ。限定の、とかたかがそんな響きだったのに、しかも執着だけならともかく下らない脅し文句。本人に直接聞いて返してもらえせめて。今でも情けなさナンバーワンエピソードだ。
幸い、男バレのマネージャー二人はとてもいい子だったのでその後もわたしを見ても「こんにちわー!」と挨拶をしてくれて、少し救われた。