さて前回、人をも殺せる殺傷力を持つ水中に潜む10の魚リストを紹介したが、まだ他にもいるよというお話をしたかと思う。
で、こいつらがそんなやつらだ。
映画『ジョーズ』以来、サメの恐怖は人々の潜在意識の中に刷り込まれているが、世界の淡水や河口には海のサメにも匹敵する恐ろしい殺人魚が存在する。
この記事はサメ恐怖症のあなたに対するショック療法になるかもしれない。怖い魚はサメだけではないのだ。多少の脚色はあるかもしれないが、とりあえず恐れておいて損はない魚たちだ。
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10. ムベンガ
あのピラニアすら金魚に見えてくる恐怖のクリーチャー。体長1.8メートル、体重31キロに達する淡水魚で、中央アフリカの河川に群れで潜んでいる。黄色い目をしたムベンガの口には5センチはある短剣のような歯が並び、大きな動物でさえ数秒でミンチにしてしまう。
コンゴ川で起きる原因不明の死亡事故は邪悪な精霊の仕業と考えられてきたが、エクストリーム釣り師ジェレミー・ウェイドによってコイツが犯人であることが明らかにされた。
9. ピライバ
余暇で訪れた生まれて初めてのアマゾン川で、あなたは釣り糸を垂れながら楽しそうにボートを漕いでいる。釣り竿に手応えがあり、60センチはあるシクリッドに違いないと興奮する。
だが水中からヌッと顔を出したのは、体長2.7メートルの青黒いナマズであった。不安とプライドが交錯していたが、その口の中に人間の手らしきものが飛び出しているのを見て、一気に恐怖に変わった。
南アメリカ最大のナマズ、ピライバだ。人間を含め、反り返った歯に食いつかれてしまえば、もはや逃げることは叶わない。
8. ゴーンチ
インドとネパールの間を流れるカリ川では、謎の失踪や溺死事件が頻発していた。その死因については様々な噂が流れていたが、やがてカミソリのような歯を持つ体長2.1メートルのクリーチャーが発見された。ゴーンチは130キロもあるナマズの仲間で、人間の肉の味を覚えてしまったようだ。
犠牲者は水中に引きずり込まれてから食われる。ある17歳の少年は恋人の目の前で襲撃された。遺体が上がることはなかったという。一帯には川に荼毘に付した遺体を捨てる習慣があり、そのせいで人間の肉の味を覚えてしまったようだ。
7. オニカマス
生きる魚雷とも呼ばれるオニカマスの口には、7センチ以上の歯がぎらりと並ぶ。体長1.8メートルにまで成長し、体重は45キロを超える。輝く金属に引き寄せられる習性があり、柔らかい肉を持つ生き物を襲う。
オニカマスの襲撃を避けるには、視界が悪い場所、マングローブや河口付近には近づかないことだ。またヤスを使った漁もつつしんだほうがいい。襲われれば、腱や肉などを切られ、あっという間に殺されるだろう。
6. ヨーロッパオオナマズ
ヨーロッパにも悪魔のような殺人魚は存在する。ベルリン湖、スペインの貯水池、ロシアのヴォルガ川などを泳ぐつもりなら、考え直した方がいい。
ヨーロッパオオナマズは体長3.9メートル、体重180キロ以上という巨体の持ち主。攻撃的な捕食者で、カミソリのような歯で獲物を捕らえる。
どのくらいまで成長するのかはっきりと分かっていないが、これまでの証言からは体長6メートル、体重3トンを超える可能性が示唆される。最近ではドイツ人が大怪我をし、ロシアでは胃の中から人体が丸ごと発見されている。
5. ヒマンチュラ・チャオプラヤ
東南アジアの淀んだ水の中には毒を持つ怪物が潜んでいる。有名なクロコダイルハンター、スティーブ・アーウィンは海で小型のアカエイに胸を刺されて亡くなったが、その針はヒマンチュラ・チャオプラヤのものに比べれば可愛いものかもしれない。
体長4.8メートル、体重900キロを超え、おそらく世界最大の淡水魚である。20センチの毒針はサソリのように反り返っており、その体重ゆえに人を水中に突き落としてしまう危険性もある。万が一、川床と思って立っていた場所が動き出したなら……息を殺してじっとしていることだ。
4. マスキーパイク
マスキーパイクによる死亡事故は今のところ報告されていない。しかしその不吉な兆候はある。体長2.1メートル以上に成長するコイツは、長い間恐れられてきた。
このカマスの淡水魚版は、北半球の湖に潜んでおり、水鳥、マスクラット、スズキなどをいともたやすく引き千切る短剣のような歯が無数に生えている。
噛まれれば大怪我は間違いなく、体重36キロもあるのだからそのまま水中に引きずり込まれる恐れもある。13歳の少女が襲われて引きずり込まれそうになった事例や、噛まれて大怪我をしたという漁師の事例がある。
3. デンキウナギ
アマゾンの最上位捕食者であり、ほとぼしる電撃でウマをも殺す。ナマズの親戚であるコイツが放つ600ボルトの電流を喰らえば、人間だってひとたまりもない。感電死しなくても、水辺で失神すれば溺死の恐れもある。
体長2.4メートル、体重22キロにまで成長し、安全に扱うにはゴムの手袋でもするよりない。水は電気をよく通すので、川を渡る行為は非常に危険だ。ドライヤーを浸した浴槽につかるようなものである。
2. アリゲーターガー
アメリカ南東部の水域に潜む先史時代の怪物。体長3メートル、体重180キロを超え、大きな鱗や口にずらりと並ぶ牙のために、魚というよりはワニを思わせる。
桟橋の上から足をバシャバシャさせていた男性がアリゲーターガーに襲われ、引きずり込まれそうになった男性がいる。彼はどうにか助かったが、あなたが必ずしも幸運に恵まれるとは限らない。
アリゲーターガーによる死亡事故は確認されていないが、原因不明の溺死事故の犯人である可能性はある。日本でも滋賀県で繁殖の可能性があると2009年にニュースになった。同年、皇居のお堀でもガーが捕獲されている。
1. オオメジロザメ
トリを飾るのは、そう、サメだ。が、通常のサメとはかなり異なり、体長2.1〜3.6メートル、体重270キロのこいつは淡水に潜む。しかも何千キロも川を遡上し、内陸のミズーリ州、イリノイ州、ケンタッキー州の湖にまで侵入するのである。
濁った淡水において数多くの死亡事件を起こしている。サメの中でも特に攻撃的な性格をしており、あらゆる動物の中でも最高のテストステロン濃度を有している。それゆえ現生する魚の中では最も噛む力が強い。
via:10 Terrifying Killer Fish/ translated hiroching / edited by parumo
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コメント
1. 匿名処理班
ピラニアも怖い魚だと思う
2. 匿名処理班
トピックからは離れますが、エクストリーム釣り師ジェレミー・ウェイドの吹き替えは、大塚芳忠さん。
銀魂の阿伏兎も演じてます。
JR西日本には、そっくりな声の車掌さんが居た模様。
3. 匿名処理班
こわE
4. 匿名処理班
ところどころモンハンに出てきそうな魚がいますな
5. 匿名処理班
淡水域の危険魚の大体がナマズな件
日本のナマズは可愛らしいのに、
なんでコイツらはそんな恐ろしい方向に進化したんや…
6. 匿名処理班
その巨体で巨大な歯を持つのは反則だろ・・・
7. 匿名処理班
フグ「俺は怖くないぜ」
8. 匿名処理班
>>3. デンキウナギ
イッテQでチャンカワイがゴム手袋してコイツに触ったけど感電してなかったっけ?
9. 匿名処理班
今回もナマズが多いね
カンディルも小型ながら人間も襲うことで知られるナマズだし、大型魚に注意すれば危険少ないとは思わないほうがいい
10. 匿名処理班
ガーは性質的には温厚なんだけど
大きくなるからね
11. 匿名処理班
中学の頃、ピラルクを飼うと言って親父に怒られたな
あん時は今よりもっとバカだったから自分の部屋の床を剥がしてプール作ろうと本気で思ってたよ
12. 匿名処理班
怪魚ハンターの小塚拓矢さんにホントのとこを聞いてみたいもんだ
13. 匿名処理班
人は400V以上に感電すると確実に死ぬ。
電気ウナギは高効率の発電ユニットを直列に持っていて
水中でも最大800Vの電圧を発生させる。
そんな所に人がいれば間違いなく心臓が止まって死に至る。
14. 匿名処理班
川が生活の一部である地域の人たちは避けようがないやん
15. 匿名処理班
カンディルゥ!
16. 匿名処理班
ジェレミーってこの中のほとんど釣ってね?
17. 匿名処理班
カンディル…
18. 匿名処理班
どれも怖いけど・・・・この魚達が人間を襲って殺すなんて1年に数件あるかないかだろう。そしてそれは大ニュースになる。逆にサメなんか娯楽の狩り目的であるスポーツフィッシングやフカヒレとかでとんでもない数が人間によって乱獲され、生息数が激減してる状態です。
19. 匿名処理班
ナマズ系って結局侮れない奴が多いのな。
20. 匿名処理班
1匹いれば30匹、魚が魚を呼ぶ。
そんな獰猛な魚が潜んでいるかもしれん水に浸かって写真撮影とか、そっちのほうがありえん。
21. 匿名処理班
内陸の湖に現れる攻撃的なサメってなにそのパニック映画
22. 匿名処理班
エクストリーム釣り師ってのが気になりすぎて他が頭に入ってこない
23. 匿名処理班
マーズランキング2位さんカコイイ
24. 匿名処理班
1、2通してカンディルが出てこなかったのは意外
25. 匿名処理班
ナマズが多いなあ。確かにあのどでかい口は怖いわ。
26. 匿名処理班
ナマズ多いな
27. 匿名処理班
カンディルぱいせんもgkbrモノだと思いますが…
28. 匿名処理班
熱帯魚雑誌アクアライフ「ようやくモンスターフィッシュが
注目される時代になったか」
松坂・小川「長かったなあ」
29. 匿名処理班
※13
アンペアが低かったら10万ボルトでも死にはしないし、逆にアンペアが高かったら100ボルトでも死ぬよ ?
30. 匿名処理班
※13
前、カラパイアでデンキウナギの記事があったけどコメ欄で、現地の人はデンキウナギを食用にしているって書いてた人いた。放電させてから取るみたい。そういう漁の仕方なんだね
31. 匿名処理班
うまそう
32. 匿名処理班
なまず…美味しいのになぁ。
33. 匿名処理班
※11
ピラルクは都市部で住宅地やマンションに住んでたら無理だろうけど、田舎なら割と余裕らしいよ。知り合い(農家)がこれ飼ってた。
使わなくなった田んぼを池に改造してそん中で飼ってたよ。餌はその辺に居るカエルやフナやらザリガニやらセミ、ネズミと近くにいるもんテキトーに食べさせて自給自足してたみたい。
自由に使える土地、自由に使える重機、自由に採取できる自然、雪が降らない程度に温暖な地域と条件さえそろえば飼える。これ、結構丈夫な魚らしく殆ど放し飼い状態であんま真面目に世話してないって言ってた。
34. 匿名処理班
でけー淡水エイだな