特別養子縁組を希望する夫婦に営利目的で乳児をあっせんしたとして、千葉県警は8日、同県四街道市の養子縁組あっせん業者「赤ちゃんの未来を救う会」(解散)の元代表理事、伊勢田裕容疑者(32)と元理事、上谷清志容疑者(35)を児童福祉法違反の疑いで逮捕した。あっせん業者の逮捕は全国初。
捜査関係者によると、両容疑者は昨年春ごろ、営利目的で東京都の夫婦に乳児を養子としてあっせんした疑いが持たれている。救う会は夫婦から子供を優先的に紹介するなどの名目で事前に225万円を受け取った。県警はこの金は実費より多額で、営利に当たると判断したとみられる。
救う会は2015年の設立。社会福祉士や看護師の専門家が在籍すると県に届けたが勤務実態はなく、受け取った金の使途に関する領収書も残していなかったという。県警は昨年11月、救う会の関係先を家宅捜索していた。
伊勢田容疑者は逮捕前、受け取った現金について取材に「なかったら運営自体が回らなかった。人件費や事務所費などもかかり、妥当な金額」と説明。上谷容疑者は「あっせんはビジネスだ。営利目的禁止がそもそもおかしい」と主張していた。
県などによると、夫婦は昨年6月、神奈川県の女性が出産したばかりの男児を引き渡されたが、女性が「最終的な同意確認がなかった」と主張、男児は女性に帰された。夫婦は救う会側に慰謝料などの支払いを求めて提訴、千葉地裁で係争中。
特別養子縁組を巡っては、児童福祉法で営利目的のあっせんは禁止されている。悪質な民間業者の排除に向け昨年12月、従来の届け出制から都道府県知事による許可制とした養子縁組児童保護法が議員立法で成立した。〔共同〕