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【芸能・社会】

ノンスタ井上、涙の謝罪 「ひき逃げ」不起訴受け会見

2017年3月8日 紙面から

不起訴処分が決まり、涙を浮かべながら記者会見するNONSTYLEの井上裕介=東京都新宿区の吉本興業東京本部で(川上智世撮影)

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 ひき逃げなどの容疑で書類送検されたものの不起訴処分になったお笑いコンビ「NON STYLE(ノンスタイル)」の井上裕介(37)が7日、東京都内で記者会見し、事故後初めて自らの口で説明。事故について「逃げた意識はない」としながらも「きちんとした処置を取らなかった」と涙で謝罪した。時期は未定としながらも「ノンスタイルを見られて良かったと思われるように頑張りたい」と復帰への思いも語った。

 井上は昨年12月の事故後、芸能活動を自粛し、約3カ月ぶりに公の場に登場。普段はナルシシストキャラで笑いを取ってきたが、この日はダークスーツにネクタイを締め、神妙な面持ちで会見場に現れた。冒頭「このたびは誠に申し訳ございません。被害者の方にあらためておわびしたいと思います。世間を騒がせ、ファンの方々や仕事関係の方に多大な迷惑とご心配をかけ深くおわびします」と語り、40秒ほど深々と頭を下げた。

 事故について「タクシーを追い抜こうとした時に当たったのではと思った」という。同乗していた後輩でお笑いコンビ「スーパーマラドーナ」の武智(38)からも「当たったのでは」と言われ車を止めたものの、タクシー運転手が下りてきたりクラクションを鳴らしたりしなかったため「(当たっていないと)都合の良いように解釈してしまった」と説明。自宅に戻り車を確認したところ、傷を見つけたが事故でできた傷なのか確信が持てなかったという。

 事故の3日後に、被害者の運転手に直接会い謝罪。井上の謝罪に対し、運転手が涙を流して「早く劇場で漫才をしている姿を見せてください。また、私を笑わせてほしい」と言われた。

 約3カ月の謹慎中、警察に行く以外は一歩も外出しなかった。近所に住む後輩芸人が食材を買ってくるなどしてくれたという。事故直後はバラエティー番組も見る気持ちにはなれず、食事ものどを通らなかったため「お酒に頼り睡眠を促すこともあった」と吐露した。番組共演経験のある和田アキ子(66)は「井上が少しでも芸能界の風を忘れないように」と毎日電話してくれたという。

 相方の石田明(37)は一人で活動。それでも「井上の人生はおれの人生」とコンビ愛を語り、解散を強く否定していた。石田への思いを聞かれると「『解散してくれ』と言われたら仕方ないと思っていた」。同じように「石田君の人生は僕の人生」と表現し「いつか石田君から『相方が井上で良かった』と言ってもらえるように頑張りたい」と誓った。

 しかし、復帰の時期は未定。まずは出演していたテレビ番組など関係者への謝罪行脚を優先する。

◆気温5度の中庭に報道陣130人以上

 この日の会見は、井上が所属する東京・新宿の吉本興業東京本部で午後8時から行われ、新聞やテレビ、ネット媒体など130人以上の報道陣が殺到、注目度の高さをうかがわせた。

 しかし、大人数を収容できるスペースがなかったため、会見場所は急きょ中庭に。会見は約1時間行われたため、井上をはじめ報道陣も気温5度の寒さと戦いながらの質疑応答となった。

 ◆井上の事故 昨年12月11日午後11時45分ごろ、東京都世田谷区の都道を車で運転中、タクシーに衝突。男性運転手にけがを負わせ、警察への通報や救護措置を取らずに現場から逃げたとされ、2月1日に道交法違反(ひき逃げ)と自動車運転処罰法違反(過失傷害)容疑で書類送検された。しかし、東京地検は今月6日に「許してあげてほしいという被害者の心情を考慮した」として罪の成立を認めながらも不起訴処分とした。

 

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