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【プロ野球】

<WBC>侍祭り!11得点大爆発 キューバを粉砕

2017年3月8日 紙面から

日本−キューバ 7回裏2死一塁、右中間へ2ランを放った筒香(中央)を迎える日本ベンチ(北田美和子撮影)

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◇1次リーグ 日本11−6キューバ

 侍打線が大爆発−。第4回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)は7日、東京ドームで1次リーグB組が開幕し、2大会ぶりの優勝を狙う侍ジャパンがキューバと対戦。主砲・筒香嘉智外野手(25)が1回に先制打&ダメ押し弾を含む3打点、山田哲人内野手(24)が、ビデオ判定の末に二塁打となる決勝打を放つなど、打線が爆発して11−6で白星発進した。

      ◇

 極限の緊張感を、侍たちが己のバットで切り開いた。打ちも打ったり14安打の11得点。日本の破壊力を世界に見せつけた。

 号砲は筒香だ。1回2死二塁から右前適時打で先制。「流れにのって打てました」。4番が存在感を見せると、4回に山田の勝ち越し二塁打。そしてキューバを奈落の底に突き落としたのが、5回だった。1死から中田が四球で出塁。すると、通算13盗塁の主砲が2球目に走った。完全にモーションを盗み、楽々二塁を陥れた。意外な男の盗塁で、一気にベンチのテンションはMAXだ。ここで坂本が打席に向かう。「翔が走ったので、絶対にかえしてやろうと思って打席に入った」。カウント1−1からインハイの140キロに球界随一の内角打ちを繰り出した。コマのような軸回転で、ジャストミート。打球は三塁線を破り、適時二塁打に。中田が楽々ホームインし、これが猛攻への合図となった。

 さらに鈴木が四球で出塁。一、二塁で「熱男」こと松田を迎えた。1ストライクからカーブにバット一閃(いっせん)。打った瞬間に上げた雄たけびとともに、打球は左翼席へ吸い込まれた。「何点あっても足りない。食らい付きました」。日本中が勝利を確信したダメ押し3ラン。ベンチへ戻ると、超満員の観衆とともに、右手を高らかに突き上げ、「熱男」ポーズ。一塁ベンチのムードは最高潮となった。

 筒香にしろ、坂本、松田にしろ、追い込まれる前に仕留めにいった。これは稲葉打撃コーチの狙い通りだ。「どんどん打ちに行くことが大事。打ちにいって合わなきゃやめればいい。硬くなって球を見ようとするとダメ。凡打でいいから振っていく」。首脳陣の意図を理解し、選手がグラウンドで体現。積極果敢な打線が功を奏した。

 試合前、小久保監督が古代中国の思想家・孟子の一説を引用し、ナインに熱く語りかけた。

 「天の時。天によって今日という日が初戦と決められ、みんなはこの日のためにオフから準備してきた。地の利は東京ドーム、日本。人の和はこのチームの和。これらが合わされば必ず勝利につながる」

 そんな指揮官が最も頼りにする男、筒香が総仕上げだ。3点差に迫られた7回だった。2死一塁、3ボール1ストライク。打者有利のカウントで右翼席に高々と運ぶ豪快な一発でキューバの息の根を止めた。侍ジャパンが、まさしくチーム一丸で世界一へ最高のスタートを切った。 (土屋善文)

 

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