2017年03月09日

日本酒ソムリエ直伝! あの銘柄に合う「スナック菓子」はこれだった!

2017年03月09日

みなさんこんにちは。「ポメ橋」ことポメラニアン高橋です。


突然ですがみなさん、「日本酒」はお好きですか? 


「旭酒造」の「獺祭」が火付け役となり、国内はもちろん、世界的にもムーブメントを巻き起こしている日本酒。インターネットが普及した今、現地に行かなければ飲めない希少な銘柄も、簡単に入手できるようになりました。


そんな私も日本酒が大好きなのですが、ある時こんな疑問を持ってしまったのです。


ポメ橋「日本酒と合う“スナック菓子”ってあるのかな?」


近年の日本酒ブームでは、「料理とのペアリング」が重要視されています。各銘柄に対して肉・魚・野菜など、さまざまな料理を組み合わせ、「料理ありき」で日本酒を楽しむのが“ツウ”の証ともいえるのです。


そんな日本酒に対し、スーパーやコンビニで手に入るスナック菓子をペアリングすることはできるのでしょうか。とても気になったので、「利酒師」の資格を持つ「日本酒ソムリエ」の方に、お話を聞いてみることにしました! 


ご協力いただく「日本酒ソムリエ」


▲上仙裕一(じょうせんゆういち)さん


今回ご協力いただいたのは「上仙裕一」さん。大学在学中にSSI認定・「利酒師」を取得しており、全国の蔵元を訪問して、日本酒の素晴らしさを発信する活動を行っています。


ここでは、日本酒ソムリエの上仙さんに流通量の多い定番の日本酒と、お馴染みのスナック菓子のペアリングを5種類考えていただきました。さっそくご紹介します! 



目次

1.神亀酒造 純米酒×コンソメパンチ味(カルビー)

2.一ノ蔵 濃醇熟成酒 招膳(しょうぜん)×「東ハト キャラメルコーン」

3.天狗舞 山廃仕込純米×【カルビー ピザポテト】

4.上善如水 純米吟醸×「カルビー ポテトチップス うすしお味」

5.澤の井 本醸造大辛口×「山芳製菓 わさビーフ」



1.神亀酒造 純米酒×コンソメパンチ味(カルビー)



埼玉県に酒蔵を構え、純米酒製造の“はしり”とも呼ばれる「神亀酒造」。本蔵元の純米酒は「カルビー」の「ポテトチップス コンソメパンチ」と相性が良く、コンソメパンチの旨味をさらに引き立てます。


そもそも、「ポテトチップス コンソメパンチ」は濃い目の味付けで、さまざまなスパイスの風味を感じるスナック菓子です。だからこそ、単体でも主張の強い日本酒でなければ、コンソメパンチの味わいに負けてしまうのです。


「神亀酒造」の純米酒は“お米感”が強い「芳醇系」の日本酒。肉料理や鍋料理と相性の良い銘柄で、味わいも比較的濃ゆい部類に入ります。「ポテトチップス コンソメパンチ」という味の濃いスナック菓子とペアリングし、「濃い×濃い」のゴールデンコンビで、文字通りパンチのある味を楽しんでみてはいかがでしょうか。


【お酒の紹介】


・製造元 神亀酒造(埼玉県)

・日本酒の種類 純米酒

・精米割合 60%

・アルコール度数

・特徴 芳醇でフルボディな味わい

・オススメの温度帯 お燗,冷酒

http://shinkame.com/Japanese/



2.一ノ蔵 濃醇熟成酒 招膳(しょうぜん)×「東ハト キャラメルコーン」



「一ノ蔵」が製造している「濃醇熟成酒 招膳」は、3年間寝かせてから世に送り出される「熟成タイプ」の日本酒。中国の紹興酒を思わせるような芳醇かつ甘い香りが特徴で、「東ハト キャラメルコーン」とペアリングするのがオススメです。


「キャラメルコーン」の原材料はコーングリッツと呼ばれるトウモロコシの穀粒。コーンが持つ自然な甘さとピーナッツの香ばしさ、そしてキャラメルの風味が特徴のスナック菓子ですが、日本酒ソムリエの上仙さんいわく、「この二つは似た者同士」なのだとか。


というのも、「濃醇熟成酒 招膳」のような熟成酒には「ソトロン」等の香気成分が含まれており、これらはキャラメルの甘い香りに表現されることが多いそうです。香りや風味がとても似ているため、一緒に食べれば口の中はまさに「キャラメル畑」。甘党の方は、是非一度お試しあれ! 


【お酒の紹介】


・製造元 一ノ蔵(宮城県)

・日本酒の種類 熟成酒

・精米割合65%麹、85%掛米

・アルコール度数 15度

・特徴 黄金色でシェリー酒のような甘い香り

・オススメの温度帯 ぬる燗,冷酒

http://www.jizakeshop.co.jp/SHOP/10035.html



3.天狗舞 山廃仕込純米×【カルビー ピザポテト】



「山廃仕込み(やまはいじこみ)」によって作られる日本酒の代表的銘柄、「天狗舞 山廃仕込純米」。深い旨味を持ち、いかにも「お酒!」というような、パワフルな味わいの一本です。


そんな日本酒とペアリングしたいスナック菓子が「カルビー ピザポテト」。チーズの風味がとても強いピザポテトですが、「天狗舞 山廃仕込純米」が持つ「乳酸感のある酸味」と絶妙にマッチします。


基本的に、「山廃仕込み(やまはいじこみ)」によって作られた日本酒の多くは、ヨーグルトなどの乳製品に近い、独特な酸味を持っている傾向があります。その酸味がチーズ系の食べ物と相性が良く、「旨味の相乗効果」を引き起こすことができるのです。


ピザポテトをひとかじりし、そこに「天狗舞」をグイッと流し込めば、スナック菓子で呑んでいることを忘れるほどの贅沢体験を味わうことができますよ! 


【お酒の紹介】


・製造元 天狗舞(石川県)

・日本酒の種類 純米酒

・精米割合60%(全量自家精米)

・アルコール度数 15.9度

・特徴 パワフルで飲み応えのあるタイプ

・オススメの温度帯 お燗

http://www.tengumai.co.jp/product/junmai.html



4.上善如水 純米吟醸×「カルビー ポテトチップス うすしお味」



「上善如水 純米吟醸(じょうぜんみずのごとし)」はさらりとした口当たりで、アルコールのような酒臭さは無く、フルーティーな香りが特徴のお酒です。飲みやすい日本酒に対して「水のように飲める」と例えることがありますが、この銘柄はまさにそれ。こちらのお酒には「カルビー」の「ポテトチップス うすしお味」をペアリングして楽しみましょう。


「カルビー ポテトチップス うすしお味」のようなさっぱりとしており、尚且つ素材の味を活かしたスナック菓子の場合、「上善如水」を筆頭とする「料理の邪魔をしない日本酒」がオススメ。キリッと冷やして、冷酒で合わせてお楽しみください。


【お酒の紹介】


・製造元 白瀧酒造(新潟県)

・日本酒の種類 純米吟醸

・精米割合60%

・アルコール度数 14度以上15度未満

・特徴 軽快で爽やかな飲み口

・オススメの温度帯 冷酒

http://www.jozen.co.jp/top/catalog_01-2.htm



5.澤の井 本醸造大辛口×「山芳製菓 わさビーフ」



鼻を抜けるわさびの風味が魅力の「山芳製菓 わさビーフ」。ビーフとわさびの相性が抜群で、おつまみ系スナック菓子として取り上げられることも多いこちらの商品は、「澤の井 本醸造大辛口」との相性が抜群です。


こちらのお酒は「大辛口」とあるように、ピリリとしたシャープな辛味が持ち味。一方で、その辛さの奥には日本酒が持つ“米由来の甘さ”があり、飲み進めるにつれて自然な甘味を感じるのです。


それは「わさビーフ」も同じで、最初の一口目はツーンとした辛さを感じますが、その後にビーフの旨味がゆっくりと追いかけてくるはず。つまり、「澤の井 本醸造大辛口」と「わさビーフ」は似た者同士であり、この二つが組み合わさることで、“辛味と旨味がそれぞれパワーアップ”される訳です。あなたも「辛っ!うまっ!」といった幸せのワンツーパンチを楽しんでみませんか? 


【お酒の紹介】


・製造元 澤の井(東京都)

・日本酒の種類 本醸造酒

・精米割合 65%

・アルコール度数 15度以上16度未満

・特徴 シャープでピリッとした飲み口

・オススメの温度帯 冷酒

http://www.sawanoi-sake.com/shop/1789.html



日本酒とペアリングする料理は手が込んでいるイメージがあり、何となく敷居も高く感じてしまうもの。しかし、私達が子供の頃から慣れ親しんでいるスナック菓子でも、お互いの良さを引き出すペアリングができることが、今回の企画を通じてわかりました。


まだまだ衰えることを知らない日本酒ブーム。あなたも日本酒と一風変わった食べ物を組み合わせ、全く新しいペアリングを探してみてはいかがでしょうか? 



著者・SPECIAL THANKS



ポメラニアン高橋(ポメ橋)

ラーメンと牛丼ばかり食べてる洋犬ライター。オス/体高30センチ/体重80キロ。

最近Twitterはじめました→@pomehashi(ポメ橋)




上仙裕一(じょうせんゆういち)

東京農業大学・醸造科学科出身。大学在学中にSSI認定・「利酒師」を取得。漫画「酒ラボ」の主人公イメージモデル。各地の酒蔵に足を運び、これまで交流を持った酒蔵は「300蔵元」に及ぶ。アメブロのお酒部門で「1位」を獲得するなど日本酒のアルファブロガーとして活動。東北の震災後にエイベックス主催の「a-nation」のイベントで農林水産省からの依頼により若者を中心に2日間で「2000人」に、かねてから親交のある東北の蔵元さんと協力して、日本酒を振舞うなど、日本酒プロデューサーとしても活動。

http://sakazuki.org/



撮影・編集/ヒャクマンボルト