テロ等準備罪新設の法案 賛成と反対のグループが集会

共謀罪の構成要件を厳しくして、テロ等準備罪を新設する法案をめぐり、賛成するグループと反対するグループが、6日に都内で、それぞれの意見を訴えました。
テロ等準備罪は、かつて廃案になった共謀罪の構成要件を厳しくして、組織的犯罪集団が重大な犯罪を計画し、メンバーの誰かが犯罪を実行するための準備行為を行った場合などに処罰するもので、政府が今の国会に法案を提出する方針です。

法案に賛成する弁護士のグループは、東京・霞が関で会見を開き、暴力団による組織的な犯罪から国民を守るには法案が必要だと主張しました。
賛同する弁護士はおよそ130人に上るということで、グループの代表の疋田淳弁護士は「暴力団は資金源を海外に移転させるなど、犯罪の国際化や多様化が進んでいる。日本に共謀罪の規定がないと海外での捜査協力が得られず、組織犯罪対策が頓挫してしまう」と訴えました。

一方、法案に反対する市民グループのメンバーなどおよそ350人は国会前で集会を開き、法案は市民生活を脅かすとして、国会に提出しないよう求めました。
京都大学大学院の高山佳奈子教授は「政府は罪に問う範囲を限定すると言っているが、実際には準備行為の類型に『その他』という文言が入り、限定されなくなっている。何も悪いことをしていない市民が広く摘発の対象になることが懸念される」と訴えました。