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直前まで異変なく 回収映像に機内の様子

長野県の消防防災ヘリコプターの墜落現場を調べる捜査員ら=長野県松本市の鉢伏山で2017年3月7日午前10時9分、本社ヘリから

 長野県松本市の鉢伏山(1929メートル)に県の消防防災ヘリコプター「アルプス」が墜落し9人が死亡した事故で、同機は異変から数秒で墜落していたことが7日、関係者への取材でわかった。回収された墜落前の映像からは、途切れる直前まで平常時と変わらない機内の様子がうかがえるという。県警や国の運輸安全委員会は映像などをもとに事故原因の解明を進める。

 墜落時の機内の状況が明らかになるのは初めて。現場近くの斜面には折れた樹木や破損した機体の一部が確認されており、回転翼などが何らかの原因で山林に接触した後、一気に墜落した可能性が出てきた。

 死亡した9人のうち、ヘリの右後部にいた隊員のヘルメットに小型カメラが装着されていた。5日の事故後、カメラは回収され、離陸から墜落までの機内の様子などが映った音声のない20分前後の映像が確認された。

 関係者によると、ヘリの機内はパイロットが座る席とその横の席以外は座席がない構造。映像には隊員らが訓練開始に向けて機内で膝をついた状態で待機している様子や、外の景色が映っており、異変を感じさせる状況はなかった。ところが、映像が途切れる数秒前、高度が下がったような場面が映り、途切れたという。この間、同機が高度を持ち直す様子は見られなかったという。

 一方、国の航空事故調査官は7日、墜落現場を調査。主管調査官によると、機体上部で回る4本の回転翼がずたずたに折れ、胴体とテール部が切断されるなど墜落時の衝撃のすさまじさを裏付けていた。後部の回転翼は「見つかっていない」としている。

 調査官らはこの日、機体の破損状況を確認したほか、地図に落とすための現場周辺の樹林の状況も把握した。【滝川大貴、安元久美子】

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