小泉浩樹
2017年3月8日03時00分
浪江町の避難指示が帰還困難区域を除いて31日に解除されるのを前に、JR東日本は7日、常磐線の浪江―小高間(8・9キロ)で試運転をした。同区間は現在、運休中で、今春の運転再開を目指している。常磐線は震災時、海岸に近かった富岡駅(富岡町)が駅舎を流されたほか、線路や橋が破壊されるなどした。2019年度末までに全線での運転再開を目指している。
7日午前10時37分。原ノ町駅を出発した緑と銀の2両編成が6年ぶりに浪江駅に到着した。乗車していたJRの関係者は報道陣の呼びかけに「感慨深いです」と話した。この日の試運転では浪江―小高間を3往復し、信号や線路の状態などを点検した。JR東日本水戸支社広報室は「不具合はなかった。関係機関と調整して再開日時を決めたい」と話した。
常磐線は、竜田―富岡間(6・9キロ)は17年内、富岡―浪江間(20・8キロ)は19年度末までの運転再開を目指している。津波で流された富岡駅の駅舎の再建や、線路の復旧工事も急ピッチで進められている。
竜田―小高間は合計で36・6キロに及び、この区間が復旧すれば、常磐線は全線が復旧することになる。復旧のための費用は500億~550億円程度かかると見込まれている。(小泉浩樹)
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