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「いまだ殺したい気持ち湧く」被告人質問で

 名古屋市で高齢女性を殺害し、仙台市で高校の同級生ら2人に硫酸タリウムを飲ませたなどとされる元名古屋大学生の女(21)=事件当時16~19歳=は7日、名古屋地裁(山田耕司裁判長)の裁判員裁判の公判で被告人質問に答え「こういう事件を二度と起こしたくない」と語る一方、「いまだに殺したいという気持ちが湧くのでコントロールできず困っている」と話した。

     この日は情状面に関する被告人質問が行われた。まず弁護側が質問し、人を殺したい気持ちがまだあるか問われた元学生は「たまにあります」と答えた。被害者や遺族に対して「謝罪したい思いはあるが、仕方が分からない。反省したい気持ちはあるけれど、そもそも反省とは何かが分からない」と述べた。

     裁判中につらかった点として、被害者や遺族の調書が読まれた時のこと、自分に障害があると言われたことを挙げた。治療の機会があれば取り組むかを聞かれると「気持ちはあります」と話した。

     検察側は裁判中にどのような気持ちでいたかを尋ね、元学生は「被害者の言葉を聞くのがつらかった。自分の知らなかった苦痛が見えてきてショックを受けた」と答えた。高齢女性の遺族の感情に関しては「女性がいなくなって生活に不便が出るから怒りが出るのかと思っていた。女性を失ったことが怒りや悲しみにつながっていると知ってびっくりした」と述べた。

     殺さなければ良かったという思いがあるか聞かれ「思う時はある。でも、殺害しない方法に持っていく自信はありません」と語った。裁判中に人を殺したくなったことがあるかでは「1回だけあった。誰でもいいと思いました。すぐに収まりました」と話した。

     自分の将来について「二度と犯罪を起こしたくない」と述べた。その後、山田裁判長からの同様の質問に「人を殺さない自分になっていたい」と答えた。

     被告人質問に続き、タリウム事件で重度の視覚障害が残った高校時代の同級生男性(21)が法廷で意見陳述し「さまざまな場面で『この事件さえなければ』と感情が高ぶることがある」と話した。

     元学生に対しては「事件を人ごとのように話していると感じた。これ以上、謝罪や反省は求めない。許すつもりもない。一生刑務所に入って罪を償ってほしい」と述べた。

     裁判は10日の次回公判で結審し、24日に判決が言い渡される予定。【野村阿悠子】

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