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福島原発の東電社員、「中傷」で強いストレス…順天堂大など分析

読売新聞(ヨミドクター) 3/7(火) 12:50配信

 福島第一、第二原子力発電所で事故後も働く東京電力社員の心の傷は、津波や知人を亡くした被災体験よりも、中傷などの批判によるものが根強く残るとする分析結果を、順天堂大学などのチームがまとめた。英医学誌に7日発表する。
 チームは、事故直後から現地で社員の心の健康をサポートしてきた。社員1417人に2014年11月まで計4回、震災で受けた心の傷に関する記述式のアンケートを実施。津波からの避難、家族や同僚の死亡、財産喪失などに関するストレスの大きさを分析した。
 医療機関で受診を拒否されたり、避難先で住民に問いつめられたりするなどして心に傷を受けた社員は、11年時点で12・8%にあたる181人。事故から3年以上が過ぎても、こうした経験をしていない社員に比べて、約3倍も非常に強いストレスが残っていた。
 また、発電所の爆発や同僚の死亡といった現地社員特有の経験によるストレスも、時間が経過しても強く残ることが確認された。
 研究をまとめた順天堂大の谷川武教授(公衆衛生学)は、「現地社員の抱えるストレスは大きく、心理面のサポートを考えるべきだ」と話している。

最終更新:3/7(火) 12:50

読売新聞(ヨミドクター)

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