証券業界トップでありながら、株価では第二位の大和証券(大和証券グループ本社)の後塵を拝し続けてきた野村證券(野村ホールディングス)。しかしここに来て、野村の株価が急速に大和に接近してきた。このままのペースでいけば、「野村が大和を追い抜くのは時間の問題となりつつある」(準大手証券関係者)。
野村の株価が大和に大きく割り負けていたのは、過去の度重なる増資によって株式数が増大したためだ。一方、最近の情勢で指摘されているのが「大和を襲った反社問題」と前出証券関係者は言う。「大和の幹部の一人が左派の過激集団に属していたことが発覚し、右翼系に“反社勢力会社”として揺さぶりを掛けられた」という一件が影響したようだ。大和証券が同幹部の異動を発表し、この問題も沈静化してきたが、「まだ燻り続けている」(同前)との見方もある。
もっとも、国際金融規制の緩和を主張する米国のトランプ氏が大統領選に勝利したことで、海外投資家が国際業務を展開している野村の買いに動いたのが株価を押し上げたという背景もある。いずれの理由にせよ、野村の株価が大和を抜けば、「株価は当社が上位」と言っていた大和の弁明は使えなくなる。野村にとっては思わぬ敵失でのトップ奪取となりそうだ。
選択出版(株)
記事提供社からのご案内(外部サイト)
|
卓越した分析・解析を施し、単なる評論には |
読み込み中…