【WBC】イスラエル、初陣で史上最大の番狂わせ地元・韓国撃破!歴史的1勝
◆WBC ▽1次ラウンドプールA 韓国1-2イスラエル=延長10回=(6日、韓国・高尺スカイドーム)
開幕戦でいきなり、WBC史上最大の下克上だ。第4回WBCは6日、韓国・ソウルで1次ラウンドA組が行われて開幕し、初出場のイスラエルが09年大会準優勝、15年プレミア12王者の地元・韓国に延長10回、2―1で競り勝つ大番狂わせを演じた。同点の延長10回2死一、三塁で、バーチャムが元ヤクルトの林昌勇から二塁内野安打を放ち、勝ち越し。大半の選手がMLBのマイナー所属という伏兵が、歴史的1勝を刻んだ。
韓国初のドーム球場、高尺スカイドームに詰め掛けた満員のファンは静まりかえり、直後に悲鳴がとどろいた。4番・李大浩が空振り三振に倒れ、試合終了。第4回WBC開幕戦。延長10回の死闘を終え、勝ったのは初出場のイスラエルだ。大番狂わせを演じたナインは三塁側ベンチから飛び出し、喜びを爆発させた。
決勝点も韓国国民には信じられないものだった。同点で迎えた延長10回2死一、三塁。9番・バーチャムの打球は二遊間に飛び、二塁・徐建昌が好捕したが、ボールが手に付かず内野安打となった。その間、三塁走者が力強く本塁を踏みしめた。
メンバー28人中、イスラエル出身者は1人だけ。ユダヤ系米国人が多く、母国には馴染みのない選手がほとんどだ。だが昨年の予選でも英国、そして前回大会で日本代表に善戦したブラジルを破って、本戦に初出場。07年にMLB主導でマイナーや独立リーグなどの選手を集め、国内でプロリーグが創設されたものの、1年で解散。国内ではサッカーが一番人気。WBC出場も本国では、ほとんど知られていない中での大金星だ。
米国生まれがほとんどのナインだが、WBCに向けて結束。特に15年限りで現役引退したものの、今大会のために復帰した38歳右腕・マーキーがリーダーとなった。カージナルスなどでプレーし、メジャーでは6年連続2ケタ勝利。通算124勝した男は先発し、シンカー、チェンジアップを武器に3番・金泰均、4番・李大浩の主軸を抑え、3回無失点と流れを作った。
09年のWBC1次Rでは、オランダがドミニカ共和国に2勝する大番狂わせを成し遂げたが、今回の衝撃はそれを大きく上回るものだ。