探偵稼業も楽じゃない。
それはわたしが探偵だから。
でも、実際に捜査には行かないんだ。あくまで、ここで推理に推理を重ねて、
点と点をつなげるようにして真犯人を捕まえるーーそう、安楽椅子探偵と揶揄されたりするが、
それがわたしの生業なんだ。
書架のすぐ横はキッチンになっている。
今日はまだ来ていないけど、助手がスパゲティを作ったりもするんだ。
わたしも自分で、コーヒーぐらいは淹れるがね。
ここは私の寝室。
まあ、いつも本棚横で寝てしまうことのほうが多いんだけどね。
おかげで、いつも叱られてばっかりさ。
運良くこっちの部屋で眠れた日には、窓から入る朝日が楽しみなんだ。
本棚が隠し扉みたいだって?
探偵はこういう遊び心が好きだからね。
なに、銀座の有名なケーキ屋も、こういう風にトイレを隠しているものだよ。
一番左は寝室にしている部屋のクローゼットを開けた様子だけど、
わたしはこの通り独り身だからね。ちょっと多すぎるぐらいだ。
その代わりに助手が住み着いて、好き勝手に物を置いていってしまうがね。
推理に行き詰まったらお風呂に入る。
ここでぼんやりしていると何かがつながるんだ。
余計な色がないのも、集中できていいのかもしれないね。
玄関は1階にあるんだ。
家っぽくないって?わたしもいつもそう思うよ。
ここを昇り降りしながら物思いに耽るものだから、助手にいつも注意されるんだ。
今日はわざわざ来てくれてありがとう。
何か解決してほしい謎があればまた訪ねてくれたまえ。
安楽椅子探偵の根城としては十分すぎるぐらいだろう?
シチュエーション的にはばっちりだ。
さあ、次の謎に取り掛かろう。答えはいつも本の中にある。
…なーんて、安楽椅子探偵を気取って推理小説で本棚を埋めてみるも良し、
好きな画集や雑誌などのグラフィック系で埋めても良し。
本棚って未来の自分を現している、と見たことがあります。
いわゆる「積ん読」になっている本でも、
それを読んだ状態の自分が欲しいから本棚にある、みたいな話。
次の自分に会うために、本に埋もれる生活、いいかもしれません。
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|---|---|
| 賃料 | 400,000円 |
| 面積 | 105.59㎡ |
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