北陸新幹線新駅「松井山手」検討 京都-新大阪南回り案
北陸新幹線敦賀以西ルートで継続協議となっている京都―新大阪間について、与党検討委員会(委員長・西田昌司自民党参院議員)が京都府南部を経由する南回り案として、京田辺市のJR片町線松井山手駅に接続する駅の設置を検討していることが6日分かった。国土交通省の調査では、費用対効果を示す数値が投資に見合うとされる「1」を上回る見通し。与党は新たに浮上した松井山手駅経由の南回りを採用する方向で調整に入った。
京都―新大阪間については、運行主体のJR西日本が途中に駅を設けず東海道新幹線の北側を通る北回りを求めているのに対し、京都府が南回りを提案していた。検討委が昨年12月に小浜―京都ルートを決定した際には、国交省の南回りの調査が間に合わず結論は先送りとなっていた。
関係者によると、松井山手駅付近を経由した場合、建設費はJR西が主張する北回りと比べて高くなるものの、距離や所要時間は大きく変わらない見込み。南回りの懸案とされた費用対効果も「北回りと遜色ない数値」という。
松井山手駅付近は八幡市や大阪府枚方市に隣接し、大阪府内に通勤、通学する住民が多い新興住宅地が広がる。沿線の関西文化学術研究都市を含め多くの利用者が見込まれるという。与党関係者は「高速道路とのアクセスもいい。京都府南部の地域づくりだけでなく、近畿圏の交通拠点として期待できる」と話す。
南回りをめぐっては、京都府が学研都市付近(精華・西木津地区)を経由する案を提案したが、国交省の調査で費用対効果の数値が「1」を下回った。さらに奈良県が県内を通過することを拒否したため、検討委は距離が短くなる京田辺市付近を経由する案を検討するよう国交省に指示していた。
当初はJR片町線京田辺駅と近鉄京都線新田辺駅が近接する京田辺市中心部が有望視されたが、住宅密集地を通ることなどから建設費が膨らみ費用対効果は「1」を下回った。
【 2017年03月07日 08時01分 】