【参院予算委員会】蓮舫氏、鬼門の「原発」で論戦 ドヤ顔で示したパネルを隠すハメに…
参院予算委員会は6日、安倍晋三首相と関係閣僚が出席し、内外の諸情勢などに関する集中審議を実施した。久々に首相との直接対決に臨んだ民進党の蓮舫代表が、論戦の主要テーマに据えたのはエネルギー政策だった。蓮舫氏といえば、検討していた「2030年原発ゼロ」構想が連合や党内の反発で撤回に追い込まれたばかり。「鬼門」の政策課題をあえて選んだ結果はいかに-。(松本学)
「原発再稼働を国民は支持しているとお考えか」
1月30日の参院予算委以来となった「党首対決」で、蓮舫氏は厳しい口調で首相に迫った。
質疑時間の約7割をエネルギー政策に費やしたのは「原発に頼らない社会」(民進党綱領)を目指す姿勢を鮮明にし、安倍政権との違いを際立たせることにあった。首相から「(再稼働に)国民的な支持が十分でないことは事実であろう」との答弁を引き出したところまでは、狙い通りの展開だったのだろう。
だが、その後持ち出したデータで墓穴を掘った。
「15年前倒しで(節電の)目標をクリアした!」
得意げに蓮舫氏が示したパネルには、民主党の野田佳彦政権時代に掲げた「2010(平成22)年の総発電量1・1兆キロワット時を、2030年に0・99兆キロワット時に削減する」という目標が、すでに2015(平成27)年に達成されたとするデータが強調されていた。
「われわれはもっと少なくしていこうとしている。ところが、政府の長期エネルギー需給見通しをみると、むしろ増やしている。これはなぜか」
蓮舫氏はこうたたみかけたが、世耕弘成経済産業相にあっさり反論された。
「(パネルで)2015年実績として使っている数字は、大手電力会社10社の合計値だ。2010年は総発電量だから、再生可能エネルギーも自家発電も入っている。同じベースで比較しないとおかしい。2015年実績を総発電量ベースにすれば1・01兆キロワット時であり、野田政権の目標には達していない」
蓮舫氏は再反論はせず、岡山県真庭市の「バイオマスタウン構想」にさりげなく話題を移した。しかし、問題のパネルは掲げたまま…。世耕氏がその後「パネル下げていただけない? 間違ってますので」と促すと、いつのまにかパネルは姿を消していた。
それでも、蓮舫氏は質疑後、記者団に対し「自家発電を入れても、前倒しで目標を達成している流れに変わりはない」と強弁した。
また予算委では、東京電力柏崎刈羽原子力発電所(新潟県)の再稼働に慎重な野党系候補が当選した昨年10月の新潟県知事選を念頭に、「知事選の結果をみても、私は再稼働には賛成できない」とも語った。
ただ、蓮舫氏の安直に「脱原発」へ活路を求める姿勢には、すでに党内から冷ややかな視線が向けられている。先月の民進党エネルギー環境調査会で、福島伸享衆院議員が断じた次の言葉が現状を物語る。
「『新潟で勝ったから脱原発だ』というスケベ心は見透かされる」