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移民流入で人口増も。JR東海の需要に不安なし

JR東海 葛西敬之・代表取締役名誉会長インタビュー(上)

2017年3月7日(火)

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 国鉄の分割民営化で、JR7社体制に移行してから4月で30年を迎える。その間、東海道新幹線の収益力に磨きがかかり、超電導磁気浮上式鉄道(超電導リニア)の建設着工までに至った。その一方で、JR北海道のようにローカル線の赤字路線に経営が圧迫され、収益安定の見通しが立たない会社も出てきた。

 国鉄の分割民営化から東海旅客鉄道(JR東海)の経営まで中枢を歩み続けた葛西敬之名誉会長は、今のJRをどのように見ているのか。また代表取締役の立場から今後30年の展望も聞いた。

葛西 敬之(かさい よしゆき)氏
1940年生まれ。63年東京大学法学部卒業後、日本国有鉄道(国鉄)入社。69年米ウィスコンシン大学経済学修士号取得。国鉄では多くの経営計画業務に携わる。87年東海旅客鉄道(JR東海)発足と同時に取締役、95年に社長就任。2004年に会長、2014年から現職。1990年から代表取締役を務める。国家公安委員など政府の要職を歴任。(写真=村田和聡)

JR発足の30周年を迎えます。葛西敬之名誉会長は国鉄の分割民営化から東海旅客鉄道(JR東海)の経営までを主導し、今も代表取締役を続けています。今後30年後の日本はどのような状況になり、その中でJR東海はどのような経営をしていこうと考えていますか。

葛西:日本が30年後にどうなるかは分かりません。私は1940年に生まれ、その30年後の1970年は日本が世界第2位の資本主義国になっていました。

 その間に完全に焼野原になった時を越えて復活しました。30年というと何が起こるか分かりません。

 ただ日本の国土を考えた時に東京~横浜~名古屋~京都~大阪を結ぶ回廊は、30年後も一番重要な回廊の1つであることは間違いありません。

 すべての地図を描けなければまずいという訳でなく、すべてが変数で地図は描けないのです。人件費や人口もそうです。

明日は我が身だと米国や欧州を見なければ

 人口は増える可能性があると思います。人口の流入圧力はそう簡単に制御できません。

 インドネシアやベトナムなどアジアで人口が増えてます。そこの人たちが少しゆとりができた時に、どこで働き、どこに住み、どこに旅行しようかと思うのか。アジアで日本ほど生活インフラや教育や医療システムが整って、安全で生活しやすい国はない。

 放っておけばどんどん人がやってきて、止めるのは難しい。流入してくる人たちをどのようにマネージするのか大事になってくるのではないでしょうか。

 (移民政策で)ヨーロッパは大混乱になっていて、日本は同じような傾向にはならないと思いますが、アメリカでは混乱が起こっています。日本だけがそういうものに対して完全に局外に立つということはできないでしょう。

 日本人の人口が減るのは間違いないでしょう。しかし、トータルとして日本に定住する人口は、増える圧力の方が大きいと思います。そのことにみんなが目を背けていますが、明日は我が身だと米国や欧州を見なければなりません。

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「移民流入で人口増も。JR東海の需要に不安なし」の著者

大西 孝弘

大西 孝弘(おおにし・たかひろ)

日経ビジネス記者

1976年横浜市生まれ。「日経エコロジー」「日経ビジネス」で自動車など製造業、ゴミ、資源、エネルギー関連を取材。2011年から日本経済新聞証券部で化学と通信業界を担当。2016年10月から現職。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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